概 要
喉頭の骨組み(喉頭軟骨)
関節および靭帯
筋 肉内喉頭筋外喉頭筋
粘膜および喉頭腔
脈管・神経
発 生
イラスト掲載サイト

 

 

注意)喉頭が位置する高さに関しては年齢により違いがみられ、「日本人体解剖学」には以下のような解説文が見られる。

「位置は年齢によって異なる。すなわち、新生児では成人よりも2~3椎体上位に位置し(新生児は授乳と呼吸を同時にすることができる)、固有の位置を取るのは4歳以降である。また、老人になると、喉頭の位置はさらに1から2椎体下がる。」

喉頭(縦断面)
喉頭(縦断面-2)
鼻腔~喉頭(縦断面)
喉頭(冠状断面)  

 

 喉頭における軟骨は、喉頭の重要な骨組みとなる働きをしている。以下のように大きく、対性のものと無対性のものの2種類に分類することができる。

詳細な解説はそれぞれのページを参照のこと。

 

   
喉頭軟骨(前面)
喉頭軟骨(後面)
喉頭軟骨(縦断面))
 

 

以下が喉頭部に見られる靭帯の一覧となる。 参考:日本人体解剖学(下巻)

1

 舌骨下面と甲状軟骨上縁の間に張る弾性繊維に富む結合組織性の膜  

 部位的には正中甲状舌骨靭帯外側甲状舌骨靭帯と呼ばれる部位を有する。

2
 舌骨体の上縁から起こり喉頭蓋軟骨の舌骨面に付着する。
3
4

 輪状軟骨弓下甲状切痕を結ぶ。

 部位的には正中輪状甲状靭帯外側輪状甲状靭帯と呼ばれる部位を有する。

5
 輪状軟骨の下縁と気管軟骨を結ぶ。
6

 上下に3脚を有し、2脚は小角軟骨に、残りの1脚は輪状軟骨に付着

 上脚を小角咽頭靭帯、下脚を輪状咽頭靭帯という。

7
 甲状軟骨の両板間の角の内面と披裂軟骨小丘との間に張る。 
8
 甲状軟骨の後面正中線の外側方と披裂軟骨底を結ぶ。

※上記の他に「Wikipedia」には「披裂喉頭蓋靭帯」という名称も見られるが、ネットで検索をかけても結果は無。

喉頭軟骨・靭帯

喉頭軟骨

(前面)

喉頭軟骨

(後方より)

喉頭軟骨

(正中断面)

喉頭軟骨

(上方より) 

 

以下は「日本人体解剖学」の解説文となる。

「喉頭には、喉頭の運動をつかさどる多数の小さな筋がみられる。外喉頭筋および内喉頭筋からなる。」

 ・外喉頭筋群:軟骨の位置を変える。

 ・内喉頭筋群:声門の形・声帯の緊張感を変える。

 

以下は「日本人体解剖学」を参考にして作成した内喉頭筋の簡単な一覧となる。

 

喉頭軟骨・筋肉
喉頭(前面)
喉頭(後面)
喉頭(上面より)
 喉頭(右内側面)
       

内喉頭筋群

(喉頭正中断面)

     

 

【外喉頭筋】

 2024年3月AI「Copilot」に外喉頭筋の名称を尋ねたところ、以下のような回答が帰ってきた。

 1. 胸骨甲状筋 2. 甲状舌骨筋 3. 口蓋喉頭筋(注意) 4. 茎状咽頭筋(注意) 5. 輪状咽頭筋

 注意)上記の5つの筋のうち、口蓋喉頭筋と茎状咽頭筋に関してはこのサイトでの解説ページはない。

     また、インターネットで調てみたが検索結果をえることはできなかった。

     もしかしたら、口蓋咽頭筋茎突咽頭筋(ともに咽頭挙筋群)の間違いなのだろうか…。

 

 
胸骨柄~下顎骨の筋群
 

 

  

 
喉頭(冠状断面)
声 帯
喉頭(後部より)
舌根周辺
 

 

喉頭に分布する脈管・神経として以下のものが挙げられる。

動脈

上甲状腺動脈

外頚動脈

の枝)

以下の2枝に分かれる

上喉頭動脈:甲状軟骨、または甲状舌骨膜を通って喉頭内に入る。

輪状甲状枝:輪状甲状筋に至り、輪状甲状靭帯を貫通して喉頭内に入る。

下甲状腺動脈

鎖骨下動脈

の枝)

「下甲状腺動脈から出る下喉頭動脈は下方から入る。」(日本人体解剖学)

・下喉頭動脈は喉頭の筋肉・粘膜に分布する。

静脈
動脈に伴って走る。上喉頭静脈内頚静脈に、下喉頭静脈は腕頭静脈に入る。
リンパ管
「喉頭上部は舌骨下リンパ節へ、下部は気管傍リンパ節または気管前リンパ節に入る。以上の流入区域は、一般に後壁を除き明らかである。梨状陥凹および喉頭蓋からのリンパは甲状腺の外側のリンパ節に入る。」(日本人体解剖学)
 
神経

次の枝が分布する。

上喉頭神経

 内枝:知覚神経で甲状舌骨膜を通って喉頭内に入り声門よりも上部に分布

 外枝:運動神経で下咽頭収縮筋の外側を走り輪状甲状筋に分布

下喉頭神経反回神経の枝で混合神経)

 知覚線維:声門下方に分布し、また上喉頭神経からの枝と吻合

 運動神経:輪状甲状筋以外の全ての喉頭筋に分布する。

 「なお、以上のほかの交感神経幹から出る数枝は喉頭の迷走神経枝による神経叢に入る。」(日本人体解剖学)

 

「日本人体解剖学」では「喉頭の発生」を以下のように解説している。

呼吸器の内胚葉の原基ははじめ前腸の前面から盲嚢として現れ、発生が進むにつれてその尖端の有対部は肺と気管支をつくり、これと前腸とを結ぶ部分は無対で気管および喉頭の原基となる。喉頭を裏付ける粘膜は前腸から生じる。これらに対して喉頭の周囲にある軟骨、骨格筋、神経および脈管は、粘膜と異なった発生過程を取る。すなわち、喉頭軟骨は鰓弓から生じ、喉頭筋、脈管および神経も鰓弓に由来する。このように、2部分が癒合して1つの器官、喉頭をつくるのは、鰓弓が下降して呼吸器原基中の後頭原基の周囲に喉頭軟骨・筋などが分化したためである。
喉頭は、気管および肺の原基が前腸に連なるところから発生する。まず、連結する部分の両側に各1個の隆起すなわち披裂喉頭蓋ヒダができ、その中に披裂軟骨ができる。この隆起の前方に、さらに1個の隆起が現れるが、その前方部はのちの舌根となり後方部からは喉頭蓋軟骨ができる。また、披裂隆起の自由縁には、さらに2個の小結節すなわち小角結節および楔状結節が発生する。披裂隆起は互いに接近し、その上皮は癒合して、その背側部に1細管を残して気管と咽頭を連絡するが、胎生3か月の中ごろになると披裂隆起は発達を停止し、上皮にも退行がみられ、左右の破裂隆起の間の間隙は広くなって、ここに喉頭口ができる。
声帯の発生は、胎生10週の末ごろに起こり、原基が形成されると、その上方は陥没し喉頭前庭の基礎ができ、また声帯の上方に声帯ヒダ(仮声帯)ができる。
喉頭軟骨は中胚葉からでき、輪状軟骨の原基は最も早く胎生1ヶ月の終わりに現れる。甲状軟骨は、第4鰓弓に属する内臓骨格からできる。甲状軟骨についで披裂軟骨ができ、次に喉頭蓋軟骨ができる。喉頭筋は、胎生3か月のはじめに形成され、胎生後期に完成する。

 

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