リンパ節( りんぱせつ、英:lymph node )

 

概 要
構 造
構成細胞
・機 能
・網綱線維の分布
・神経・血管
関連語句
 髄索髄質髄洞、細網線維、中間洞、胚中心皮質、皮質下洞、被膜、辺縁洞、傍皮質
 傍濾胞領域、門、輸出リンパ管輸入リンパ管、梁柱、梁柱洞、リンパ小節リンパ洞、濾胞
「ChatGPT」に聞いてみた

 Q.「」

 Q.「」

 Q.「」

参考となるサイト

 

【概 要】

・似たような呼称に「リンパ小節」というのがあるが、以下の点でリンパ節とは異なる。

 1.リンパ小節にはリンパ節のように外側に被膜が存在しない。

 2.

 3.

・細いリンパ管には小さなリンパ節が、太いリンパ管には大きなリンパ節が付属する傾向にあるが全てに当てはまるわけではない。 

 1.免疫活動や健康の状態で大きさが変化する。

  炎症や感染があるとリンパ節が腫れて大きくなる。同じ場所でも健康状態でサイズは変動

 2.部位的による違い

  腋窩・鼠径・頸部など、もともと大きいリンパ節が多い部位がある

・リンパ節は体中に分布しているが、特に多い部位として以下が挙げられる。

 1. 頸部(首) → 約200個

 2. 腋窩(わき) → 約20〜30個

 3. 鼠径部(脚の付け根) → 約10〜20個

 4. 胸部・腹部・骨盤内などにも多数

 

【リンパ節とリンパ小節の違い】

リンパ節とリンパ小節はよく似た名称となるが示すものはかなり異なる。

特 徴

リンパ節

リンパ小節
1

形態

卵形の器官、被膜あり、皮質・髄質あり

小さな濾胞状の集まり、被膜はないことも

2

構成

B細胞濾胞+T細胞領域+マクロファージ

主にB細胞濾胞+増殖中心

3

位置

全身のリンパ管沿い

リンパ節内部、または粘膜下組織に散在

4

機能

全身リンパ液のろ過、免疫応答誘導

局所免疫応答(抗原認識・抗体産生)

5

接続

リンパ管と連結

局所的、リンパ流は限定的

     

【構 造】

リンパ節は大きく最外側あたる被膜とその内部構造に分けることができる。そして内部構造はさらにいくつかの部位に分かれる。

■被 膜■

リンパ節全体を包み込む厚くて丈夫な線維性結合組織(コラーゲン線維)の膜

・「被膜の 線維束には弾性線維 が含まれることがある」(ChatGPT)

機能:リンパ節の形状を保ち内部の皮質、髄質を支えている。

・リンパ節には輸入リンパ管が入り、輸出リンパ管が出ていて外見上は同じような構造に見えるかも知らないが、リンパ管は上皮細胞が構造のメインとなる。

■一部は内部に伸びる■

・血管は被膜から枝分かれして皮質の濾胞や傍皮質、髄索まで到達。

・神経(交感神経線維)も血管に沿って内部に進み、血流調整や免疫細胞の働きに影響を与える。

■皮 質■

皮質は被膜のすぐ内側にあるリンパ節の外側部分を構成する部位で、大きく濾胞と傍濾胞領域に分けることができる。

〈濾 胞〉

濾胞は皮質の中央に位置するB細胞が主体の細胞の集合体で以下の2つに区分できる。

一次リンパ濾胞 : 活性化していないナイーブB細胞が主体(80~90%?)

二次リンパ濾胞胚中心が出現しナイーブB細胞が増殖・分化して中心芽細胞(暗殻)・中心細胞(明殻)となる。

・リンパ節は被膜から伸びる梁柱によっていくつかのコンパートメントに区切られる。濾胞はコンパートメント毎に必ず存在するわけではなく、全く存在しない場合もあるし、逆に複数存在する場合もあり得る。

・「健康なリンパ節では、一次濾胞が多数存在し、二次濾胞は抗原刺激に応じて一部に形成される。つまり、リンパ節の皮質には 一次濾胞と二次濾胞が混在するケースが多い。」(ChatGPT)

〈傍濾胞領域〉

傍濾胞領域とは濾胞の周りのT細胞主体の領域で、樹状細胞なども多数見られる。

以下の表は「ChatGPT」を参考にしたものとなる。

 
細 胞
割 合
コメント
1

T細胞

(CD4⁺/8⁺)

約 60~70%
CD4⁺ヘルパーT細胞が主体。抗原提示を受けてB細胞や他のT細胞を活性化。CD8⁺は少数。
2 樹状細胞 約 10~15%
T細胞に抗原を提示する。リンパ節の抗原認識に重要。
3 マクロファージ 約 5~10%
抗原貪食、老廃物除去。T細胞活性化にも寄与。
4 B細胞 約 5~10%
(ナイーブB細胞、少数のメモリーB細胞)主に濾胞外帯や濾胞に集中。傍濾胞領域には少数。
5 の他 <5%
NK細胞、未分化細胞など状況により変動。

 

〈機能〉

1. T細胞の集積と活性化

 ナイーブT細胞が樹状細胞の抗原提示によって活性化する。

2. 免疫応答の開始点

 活性化されたナイーブT細胞は以下の細胞に変化し免疫活動を開始する。

 ・ヘルパーT細胞 ⇒ その場に留まりB細胞の抗体産生を促す。 

 ・キラーT細胞 ⇒ リンパに乗って全身に渡り感染細胞の排除をする。

3. 細胞間相互作用の場

 T細胞 × 樹状細胞の接触

 T細胞 × B細胞の相互作用

■傍皮質■

・T細胞の他に樹状細胞などが見られる。

高内皮静脈(円筒形の隆起状の構造物)が見られることがある。

・「血管・神経が最も多く分布している部位」としている資料も見られるが、資料によっては最も多く分布する部位として「髄質」を挙げているものも見られる。

〈機 能〉

 1. T細胞領域(T-cell zone)

  樹状細胞による抗原提示によってT細胞が活性化(増殖・分化)される。

 2. リンパ球が血液からリンパ節へ入る入口

  ナイーブT細胞は高内皮静脈(HEV)から傍皮質へ移行し待機する。

 3. リンパ節の腫脹(特にウイルス感染時)に深く関与

  ウイルス感染時、T細胞の増殖により 傍皮質が著明に肥大し、リンパ節全体が腫れる という特徴を有する。


■髄 質■

〈髄 洞〉

・髄質という名称は腎臓、副腎、脊髄、脳などにも存在するが、髄洞はリンパ節特有の呼称となる。

・髄洞は髄質内の多くを占める構造物で「ChatGPT」に髄洞と髄索の割合を尋ねたところ以下のような回答であった。

「割合は教科書・論文でも一般的には提示されていないが、恐らく60~75%ほどでは…」

・・「血管・神経が最も多く分布している部位」としている資料も見られるが、資料によっては最も多く分布する部位として「傍皮質」を挙げているものも見られる。

〈髄 索〉

以下が髄索の中に存在する細胞となる。

 
細胞種類
備 考
1
形質細胞
最も多い。髄索の主役。抗体産生細胞として顕著。場合によっては過半数を占めることもある。
2
胚中心で活性化されたB細胞やメモリーB細胞が含まれる。形質細胞ほど多くはないが髄索に存在。
3
髄洞との接触部に多く、リンパ中の抗原を捕捉。髄索中には少量。
4
樹状細胞
少数。主に抗原提示を行うため、髄索の末端や髄洞近くに存在。
5
髄索にはあまり多くない。主に傍皮質に多いが、一部髄索にも存在する。

■リンパ洞■

 

〈種 類〉

1. 皮質下洞(=辺縁洞):被膜の直下にある洞で被膜の内側をほぼ覆いつくす形になる。

2. 梁柱洞:梁柱に沿って皮質下洞から伸びる洞、=皮質洞?

3. 髄洞:上記の洞からリンパを集めて輸出リンパ管に送る洞

注意:AIを利用して調べると、その他の名称として中間洞、小梁洞などの名称が見られるが、AIによって解説が異なるので詳細は不明。

【構成細胞】

リンパ節に見られる細胞を簡単な一覧にしてみた。

細胞名
主な分布部位
機 能
1
 皮質濾胞(一次・二次濾胞)
 抗体産生の準備、濾胞形成、形質細胞・記憶B細胞への分化
2
 傍皮質
 抗原認識、細胞性免疫の司令、免疫応答の調整
3
 髄質髄索
 抗体の産生
4
 傍皮質、濾胞
 抗原提示、B細胞・T細胞の活性化
5
 髄索、髄洞、濾胞
 抗原・死細胞の捕捉、リンパ液の浄化
6

細網細胞

/網状細胞

 全リンパ節(皮質、傍皮質、髄索、梁柱)
 細網線維の形成、リンパ球・免疫細胞の支持、構造維持
7
 高内皮静脈(HEV)、毛細血管
 血管構造の形成、リンパ球の出入り調整
8
平滑筋様細胞 / 筋線維様細胞
 梁柱、被膜
 梁柱・被膜の収縮調整、血管支援

 神経に関して:神経線維は見られるが、神経の細胞体は存在しない。

 

【機 能】

1. リンパの濾過(フィルター)

 リンパ液中の異物(細菌・ウイルス・老廃物)を捕捉

 ・内側には 網目状の細線維 が張り巡らされていてフィルターの役目を果たす。

 ・免疫反応)マクロファージによる貪食作用

2. 免疫反応の場

 B細胞、T細胞、マクロファージなどの免疫細胞が活性化される

3. 体液の流れを調整

 細胞外液の余剰リンパを血液に戻す経路の一部

 

【網綱線維の分布】

リンパ節内に見られる網綱線維(細網細胞が分泌)はリンパ節の形状を維持する骨格として機能している。

以下、各部位における網綱線維の分布状況を一覧にしてみた。

 

部 位

特 徴
1

被 膜

 外側の厚い結合組織で、網綱線維は少量、線維束として存在

2

皮 質

 一次リンパ濾胞・二次リンパ濾胞内でB細胞を支える骨格を形成

3

傍皮質

 T細胞が集まる領域で網綱線維が網目状に広がり、T細胞を支持

4

髄 質

 髄索の形で存在し、形質細胞やリンパ球を支える

5

リンパ洞

 網綱線維は少なく、主に内皮が壁を形成。洞の支持骨格として一部存在

 

【神経・血管】

■被膜に分布するもの■

リンパ節の周りに存在する血管・神経が被膜に直接分布する。被膜に入ってからネットワークを築いて被膜全体を覆う形を取る。

 ・血管 : 小さな動・静脈が分布し末端部では毛細血管網を形成

 ・神経 : 感覚神経が主体で自律神経は少量、主に動脈に伴走して分布

 

■内部に分布するもの■ 参考:「ChatGPT」

 ・血管 : 門から入った血管は髄質(髄索髄洞は血管の通り道にはならない)を通った後は梁柱(の内部の結合組織を通る)に入って外側へ向かう。

      髄質および梁柱を通る間に横に枝を伸ばしていく。

      静脈にはリンパ系の静脈に特有の高内皮静脈(立方形/円筒形の膨大部)が見られることが有る。

 ・神経 : ほぼ交感神経のみで血管に沿って内部に広く分布

下の表は「ChatGPT」を参考に作成したものだが、AIによっては最も密に神経・血管が分布する領域を「髄質」とするものもある。

 
領 域
密 度
特 徴
1
髄 索
最も高い
形質細胞が集中しており、抗体産生に必要な酸素・栄養を確保するため、毛細血管が密。神経も血管に沿って分布。
2
傍皮質
中程度
T細胞領域。HEV(高内皮静脈)によるリンパ球の出入りが中心で、血管・神経は髄索ほど密ではない。
3
濾 胞
低い
B細胞領域。血管・神経は少なく、胚中心形成時の酸素・栄養供給が中心。

 

【「ChatGPT」に聞いてみた】

Q.「」

 A.「」

 

【ChatGPTに聞いてみた】

Q:「」

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 A:「」

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 A:「」

 
 

 

日本人体解剖学 船戸和弥のHP

 

【参考となるサイト】 

以下は「Wikipedia」の解説文となる。

【 語 句 】

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■ 写真やイラストを掲載しているサイト ■

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