体内に侵入した細菌やウイルス、または癌細胞などを攻撃して私たちの体を守ってくれるリンパ球の一種。
【もっと詳しく】
Tリンパ球(T lymphocyte)とも呼ばれ骨髄の造血幹細胞を由来とし、最終的には胸腺(thymus)で分化、成熟する。名称のTはthymusからきたもの。
末梢血液中のリンパ球の70~80%と占め、獲得免疫の中心的な役割を果たしている。
⇒ 造血幹細胞の分化の模式図
<分化>hi-b-cell
※以下の解説正確性に欠ける可能性有!
骨髄において造血幹細胞からT前駆細胞まで分化した後、胸腺に移動をする。胸腺に移動したばかりの細胞はCD4およびCD8に陰性のためDN細胞(double negative cell)と呼ばれる。そしていくつかの分化の過程を経てCD4およびCD8に陽性のDP細胞(double positive cell)になり、そこからCD4およびCD8のどちらか一方に陽性のCD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞に分化していく。また、胸腺を出たばかりの抗原刺激をまだ受けていない細胞をナイーブT細胞(naive T cell)と言う。
胸腺に移動すると急速に分裂、増殖を始めるが、それらの細胞の中には自己反応性を持った有害な細胞や自己のMHCと層が作用できない無用な細胞が存在していてる。そのため胸腺では有害な細胞や無用な細胞を排除し、有用な細胞だけを洗濯して分化させる機構が存在している。これをレパトア選択という。そして、このレパトア選択で生き残る細胞はDP細胞全体の3~5%ほどである。
<種類と働き>
T細胞はその細胞膜表面に発現する細胞マーカーによって分類され、その細胞マーカーはCD番号で整理されている。(CD=cluster of differentiation) そして、それぞれの細胞によって働きが異なる。
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名 称 |
解 説 |
1 |
ヘルパーT細胞 |
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2 |
キラーT細胞 |
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3 |
サプレッサーT細胞 |
suppressor T cell
日本人が発見し、免疫反応を抑制し、終了に導く細胞ということで一時期盛んに研究の対象となったが、現在ではその存在自体が疑問視されている。
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4 |
レギュラトリーT細胞 |
regulatory T cell = 制御性T細胞、調節性T細胞
免疫を抑制(T細胞の活性化を抑制)する機能に特化した細胞で、自己免疫疾患を防いでいる。以下の2種類がある。
内在性のもの:胸腺内で自然発生したもの
誘導性のもの:末梢血中のナイーブT細胞から分化、誘導されたもの
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5 |
NKT細胞 |
natural killer T cell
ナチュラルキラー細胞とT細胞の両方の要素を併せ持つ細胞。⇒ 詳細ページ
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6 |
γδ型T細胞 |
gamma -delta T cell
T細胞の表面にあるT細胞受容体(TCR)には「αβ型」と「γδ型」の2種類がある。末梢血中のほとんどのT細胞は「αβ型」だが、「γδ型」も数%存在している。
αβ型のT細胞受容体が「MHCクラス分子+抗原ペプチド」を認識するのに対して、γδ型はイソペンテニルピロリン酸(IPP)とMHC class Ⅰ related chain A/B(MIC A/B)を認識する。
⇒ 参考サイト
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