体内に侵入した細菌やウイルス、または癌細胞などを攻撃して私たちの体を守ってくれるリンパ球の一種。
【もっと詳しく】
T細胞(またはTリンパ球)の一つで、細胞傷害性T細胞(cytotoxic T cell / CLT)とも呼ばれることの方が多い。キラーT細胞は活性化されてはじめて異物を攻撃する力を持ち、活性化される前のキラーT細胞をナイーブCD8陽性T細胞と言う。
<「体内への異物の侵入~キラーT細胞の活性化」まで>
※以下の解説は正確性に欠ける可能性有!
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細菌やウイルスなどの異物が体内に侵入したり、体内の正常な細胞がガン化して 抗原となる。 |
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活性化する前のキラーT細胞を ナイーブCD陽性T細胞と言う。このナイーブCD陽性T細胞は、 ヘルパーT細胞からの インターロイキンの作用を受けて増殖するが、まだこの時点では活性化されずナイーブCD陽性T細胞のままである。 |
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ナイーブCD8陽性T細胞が活性化されてT細胞になるには以下の2つの要素が必要で、それは同時に行われる。
① 細胞表面のT細胞受容体が抗原提示細胞の「MHCクラスⅠ分子+抗原ペプチド」を認識する。
② 共刺激分子からのシグナルを受け取る。 |
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活性化されたキラーT細胞は細胞有害物質(バーフォリン、グランザイム、TNF:腫瘍壊死因子など)を放出して攻撃対象となる細胞にアポトーシスを起こさせる。そして、働きを終えたキラーT細胞の一部はメモリーキラーT細胞となって、同じ異物が再び侵入したときに素早く攻撃できるように備える。 |
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「共刺激分子」に関して
自分でよく理解できていないので、下は他のサイトからの引用文となる。
① サイト1
「共刺激分子群とは抗原提示細胞とT細胞上に発現する一連の分子群で、これらによって伝達される共刺激シグナルはTHの活性を左右し、その後の免疫応答にも大きな影響を与えます。」
② サイト2
「キラーT 細胞は,その抗原受容体と共刺激分子であるCD8 を利用して標的細胞上の抗原ペプチド- MHC クラスI 分子複合体を認識し,攻撃する」
<キラーT細胞による感染細胞の破壊方法>
キラーT細胞による感染細胞の破壊方法には以下の2通りがある。
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パーフォリン/グランザイム経路 |
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キラーT細胞のT細胞受容体が感染している細胞の「MHCクラスⅠ分子+抗原ペプチド」の抗原提示を認識すると、 パーフォリンと グランザイムという タンパク質を分泌する。パーフォリンは筒状の重合体を形成して感染細胞の細胞膜を貫通する。グランザイムが貫通した孔を通って細胞内に入ると、核にあるDNAを切断してアポトーシスを起こさせる。 |
2 |
Fas・Fasリガンド |
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キラーT細胞のT細胞受容体が感染している細胞の「MHCクラスⅠ分子+抗原ペプチド」の抗原提示を認識し、感染細胞表面にあるFas分子とキラーT細胞のFasリガンドが結合するとアポトーシスを起こさせるシグナルが流れる。
⇒ FasとFasリガンドをかなり詳しく解説したサイト
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【参考にしたサイト】
・ウィキペディア
・「キラーT細胞の活躍」
・「役に立つ薬の情報~専門薬学」