ヘルパーT細胞に対して抗原提示を行う樹状細胞やマクロファージなどの免疫系の細胞のこと。
【もっと詳しく】
赤血球など一部の細胞を除く体内のほとんどの細胞はMHCクラスI分子を持っていて、細胞内に取り入れた抗原をこのMHCクラスI分子に結合させて細胞表面に輸送し、細胞障害性T細胞(CD8+T細胞)に提示させることができる。
そういう意味では、体内のほとんどの細胞が「抗原提示細胞」と言うことになるが、通常「抗原提示細胞」というと、MHCクラスI分子の他にMHCクラスⅡ分子を持ち、このMHCクラスⅡ分子と抗原を結合させてヘルパーT細胞(CD4+T細胞)へ抗原提示を行う細胞を言う。
そして、 そのような抗原提示に特化した細胞は「プロフェッショナルな抗原提示細胞」と呼ばれることがあり、樹状細胞、単球・マクロファージ、そしてB細胞を指す。
この中で樹状細胞は最も効率の良い抗原提示を行う(一説にはマクロファージの100倍)。末梢組織の未熟なものは貪食する活性が強くMHCクラスⅠ分子の発言量は低いが、リンパ組織に存在する成熟したものは、貪食する活性が弱まりMHCクラⅠ分子の発言量が強く抗原提示を盛んに行う。樹状細胞だけがナイーブT細胞をエフェクターT細胞に活性化することができる。
普段は抗原提示細胞としては機能していないが、ある種のサイトカインにより活性化され、MHCクラスII分子が誘導されて抗原提示細胞として機能するものに以下の細胞がある。
1 |
線維芽細胞 |
fibroblast
結合組織を構成する細胞で、コラーゲンやヒアルロン酸などを分泌している。 |
2 |
血管内皮細胞 |
endothelial cell / EC 血管の内表面を構成する細胞 |
3 |
甲状腺濾胞細胞 |
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抗原提示細胞の抗原の取り込み方は、大きく飲作用と食作用の2つに分けることができる。
※B細胞は、B細胞表面の免疫グロブリンに結合した抗原を、その免疫グロブリンごと一緒に体内に取り込む。
【参考にしたサイト】
・ウィキペディア
・「ニュートリー」の「抗原提示細胞」