ma Visual Anatomy 視覚解剖学
 

篩 骨 (しこつ、英:ethmoid bone

 

 

 

頭蓋にある脳頭蓋の一つで、前頭蓋窩を構成している骨である。

 

 ※私見になるが、篩骨は、おそらく前頭蓋窩の一部を構成しているので脳頭蓋の一つに分類されていると思われるが、その大部分は鼻腔と眼窩壁の構成にあずかっている。よって、顔面頭蓋の要素がかなり強い骨と言えると思われる。

 

【形状など】

 全体的には立方体のような形を呈し、篩板垂直板、そして(篩骨迷路の3つに分けることができる。

  

【 位 置 】

 極めて大雑把な言い方をすると「鼻の奥にある骨」となる。よって、鼻腔の構成にあずかっているが、その一部は眼窩や前頭蓋窩も構成している。

 

 

 

【 隣 接 】

 篩骨は以下の骨と隣接するが、それぞれ3つのパートがどの骨と接合するかはそれぞれの項の解説で記すことにする。

1
前部

・鼻骨

・鼻中隔軟骨

・前頭骨(鼻部)

上顎骨前頭突起

涙骨

2
後部
・蝶形骨
3
下部

・鼻中隔軟骨

鋤骨

上顎骨眼窩平面

口蓋骨

・下鼻甲介(篩骨突起)

4
上部

・前頭骨(篩骨切痕、眼窩部)

・蝶形骨(蝶形骨体前縁)

 

【 その他 】

日本人体解剖学 (上巻) 」には以下のような解説が見られる。

発生:篩骨の骨化点は胎生5ヶ月ころに軟骨整鼻嚢に現れ、次第に上・中鼻甲介および篩板に現れてくる。垂直板は生後約1年から骨化し始め、ついで鶏冠、眼窩板及び、これらの3部の癒合は6歳ころに行われる。篩骨胞は、胎生5ヶ月ころに粘膜の陥凹として生じる。
異常:上鼻甲介の後方に、しばしば不明瞭な骨隆起が見られることがあり、これを最上鼻甲介といい、上鼻甲介との間に最上鼻道を作る。 」

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篩骨(前面)
篩骨(後面)
篩骨(上面)
篩骨(上面)
骨鼻腔・副鼻腔(横断面)
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 以下は、篩骨における主な部位などの名称となる。

か行

・眼窩板

さ行
・最上鼻甲介
さ行

・篩骨漏斗

  前篩骨蜂巣

・鶏冠

・篩骨孔

・篩板

た行

中篩骨蜂巣

・鶏冠翼

・篩骨洞 ・上鼻甲介

中鼻甲介

・後篩骨孔

・篩骨胞

・上鼻道 中鼻道

・後篩骨蜂巣

・篩骨蜂巣

・垂直板

ま行 盲孔

・鈎状突起

・篩骨迷路

・前篩骨孔

   

 

【眼窩板 、がんかばん、英:orbital plate】

 篩骨蜂巣の外側の長方形の平滑な薄い骨板で、眼窩の内側壁の構成にあずかる。

船戸和弥のホームページ」には以下のような解説が見られる。

頭蓋外側面で最も薄い骨片である。」

《 隣 接 》

 眼窩板の4つの縁とその接合する骨

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【鶏冠 、けいかん、英:crista galli】

 篩板を構成する一つになり、篩板の前方にある鶏のとさかのような突起で、大脳鎌が付着する。

 
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【鶏冠翼、けいかんよく、英:wing of crista galli】

 篩板を構成する一つになり、鶏冠の前下端の左右に広がるように出ている突起部のこと。

日本人体解剖学 (上巻) 」には以下のような解説が見られる。

「前頭骨鼻部と接合し盲孔を形成する」

船戸和弥のホームページ」には以下のような解説が見られる。

前頭骨前頭稜下部とともに盲孔を形成する。」

 
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【後篩骨孔 、こうしこつこう、英:posterior ethmoidal foramen】

 眼窩板の上縁の2個の切痕と前頭骨の眼窩面の切痕が接合してできる孔で、前方にあるものを前篩骨孔、後方のものを後篩骨孔という。後篩骨神経と後篩骨動脈を通し、篩骨蜂巣に通じている。

 

 
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【後篩骨蜂巣 、こうしこつほうそう、英:posterior ethmoidal air cells】

 3つの篩骨蜂巣のうち後方にあるものをいうが、前・中・後の3つの篩骨蜂巣には境界線がはっきりとあるわけではなくお互いに交通しあっている。

 

《イラスト/写真参考サイト》

篩骨蜂巣の縦断面のイラストを掲載しているサイトⅠ

篩骨蜂巣の縦断面のイラストを掲載しているサイトⅡ

篩骨蜂巣の縦断面のイラストを掲載しているサイトⅢ

篩骨蜂巣の縦断面のイラストを掲載しているサイトⅣ

篩骨蜂巣の横断面のイラストを掲載しているサイト

篩骨蜂巣の縦断面の人体標本の写真を掲載しているサイト

篩骨蜂巣の横断面の人体標本の写真を掲載しているサイト
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【鈎状突起、こうじょうとっき、英:uncinate process】

 篩骨胞の前方で、後下方に湾曲して突出した部分のこと。その尖端は下鼻甲介篩骨突起と接する。

 ⇒ 篩骨の模式図を掲載しているサイト(半透明になっているので鈎状突起の位置が何となく分かる)

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【最上鼻甲介、さいじょうびこうかい、英:supreme nasal concha】

 上鼻甲介の後部が2つに分かれたときの上の部分のこと。

 

 

 


【篩骨孔、しこつこう、英:ethmoidal foramen】

 眼窩板の上縁の2個の切痕と前頭骨の眼窩面の切痕が接合してできる孔で、前方にあるものを前篩骨孔、後方のものを後篩骨孔という。

※通常は前に「前・後」の文字を付けて用いることがほとんどで、単に「篩骨孔」だけでは用いることがほとんどないように思われる。

    

 

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【篩骨洞 、しこつどう、英:ethmoidal sinus】

 篩骨蜂巣のことで、副鼻腔の一つ。

  

船戸和弥のホームページ」には以下のような解説が見られる。

副鼻腔鼻の周囲の骨の内部存在する空洞)のひとつ。篩骨洞は、両眼の間の鼻の上部位置する海綿状の骨である篩骨内部存在する。空洞内部粘液分泌する細胞によって覆われており、これにより鼻の中が乾燥せずに済んでいる。」
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【篩骨胞 、しこつほう、英:ethmoidal bulla】

日本人体解剖学 (上巻) 」には以下のような解説が見られる。

「前篩骨蜂巣の一部が大きく膨隆した部分」

 また、「船戸和弥のホームページ」には以下のような解説が見られる。

前部の篩骨蜂巣の前下部鼻腔に向かって膨隆したもの篩骨胞という。」

 ⇒ 篩骨の模式図を掲載しているサイト(半透明になっているので篩骨胞の位置が何となく分かる)
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【篩骨蜂巣 、しこつほうそう、英:ethmoidal air cells (/sinus)】

 篩骨迷路の内部の、小骨片により取り囲まれた多数の蜂の巣状の空洞のこと。通常、「前・中・後」の3つに分かれるが、それらの境界ははっきりせず互いに交通しあっている。副鼻腔の一つになる。

《 隣 接 》

 

《イラスト/写真参考サイト》

篩骨蜂巣の縦断面のイラストを掲載しているサイトⅠ

篩骨蜂巣の縦断面のイラストを掲載しているサイトⅡ

篩骨蜂巣の縦断面のイラストを掲載しているサイトⅢ

篩骨蜂巣の縦断面のイラストを掲載しているサイトⅣ

篩骨蜂巣の横断面のイラストを掲載しているサイト

篩骨蜂巣の縦断面の人体標本の写真を掲載しているサイト

篩骨蜂巣の横断面の人体標本の写真を掲載しているサイト
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【篩骨迷路、しこつめいろ、英:ethmoidal labyrinth】

 篩骨を3つのパーツに分けたうちに一つで、垂直板の両側に位置し、篩板の下方に連続する部分。内側面は鼻腔、そして外側面は眼窩の形成にあずかっている。

 

《関連語句》

・(前・中・後)篩骨蜂巣 ・眼窩板 ・中鼻甲介 ・上鼻甲介 ・篩骨胞 ・鈎状突起 ・篩骨漏斗

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【篩骨漏斗 、しこつろうと、英:ethmoidal infundibulum】

日本人体解剖学 (上巻) 」には以下のような解説が見られる。

「篩骨胞と鈎状突起の間をいい、篩骨漏斗は鈎状突起の上縁にある裂隙、すなわち半月裂孔によって中鼻道に開口する。篩骨漏斗は外方で上顎洞と連絡する。」
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【篩板、しばん、英:cribriform plate】

 篩骨を3つのパーツに分けたうちに一つで、中央の水平になって前頭骨の篩骨切痕にはまっている薄い骨板。以下のような特徴がある。

《多数の小孔がある》

 小孔の中を嗅神経、前・後篩骨動脈および前・後篩骨神経が通っている。

《突起部》

 前部には鶏冠と呼ばれる突起があり、その前縁には鶏冠翼と呼ばれる突起がある。

 
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【上鼻甲介、じょうびこうかい、英:superior nasal concha】

日本人体解剖学 (上巻) 」には以下のような解説が見られる。

「中鼻甲介の後上方にある、貝殻状の短突起。上鼻甲介は中鼻甲介との間に上鼻道を形成し、後篩骨蜂巣が開口する。」

 また、「船戸和弥のホームページ」には以下のような解説が見られる。

篩骨迷路の上部の後半には平に走る上鼻甲介がある。これは単なる隆起にすぎないこともあり、また、その下縁外側に巻くようになることもある。」

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【上鼻道、じょうびどう、英:superior nasal meatus】

 上鼻甲介の下にできた空隙のこと。鼻腔における空気の通り道の一つとなる。

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【垂直板 、すいちょくばん、英:perpendicular plate】

 篩骨を3つのパーツに分けたうちに一つで、篩板の下面から下に突出している骨板のこと。鼻中隔の一部を形成している。両側面の上部には嗅神経の通る多数の細管および細孔が見られる。

 

 以下のように4縁に分けることができる。

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【前篩骨孔 、ぜんしこつこう、英:anterior ethmoidal foramen】

 眼窩板の上縁の2個の切痕と前頭骨の眼窩面の切痕が接合してできる孔で、前方にあるものを前篩骨孔、後方のものを後篩骨孔という。 


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【前篩骨蜂巣、ぜんしこつほうそう、英:anterior ethmoidal air cells】

 3つの篩骨蜂巣のうち前方にあるものをいうが、前・中・後の3つの篩骨蜂巣には境界線がはっきりとあるわけではなくお互いに交通しあっている。また、前篩骨蜂巣と中篩骨蜂巣は中鼻道に連絡している。

 

《イラスト/写真参考サイト》

篩骨蜂巣の縦断面のイラストを掲載しているサイトⅠ

篩骨蜂巣の縦断面のイラストを掲載しているサイトⅡ

篩骨蜂巣の縦断面のイラストを掲載しているサイトⅢ

篩骨蜂巣の縦断面のイラストを掲載しているサイトⅣ

篩骨蜂巣の横断面のイラストを掲載しているサイト

篩骨蜂巣の縦断面の人体標本の写真を掲載しているサイト

篩骨蜂巣の横断面の人体標本の写真を掲載しているサイト
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【中篩骨蜂巣 、ちゅうしこつほうそう、英:middle ethmoidal air cells】

 3つの篩骨蜂巣のうち中間にあるものをいうが、前・中・後の3つの篩骨蜂巣には境界線がはっきりとあるわけではなくお互いに交通しあっている。また、前篩骨蜂巣と中篩骨蜂巣は中鼻道に連絡している。 

 
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【中鼻甲介、ちゅうびこうかい、英:middle nasal concha】

 

 

【中鼻道、ちゅうびどう、英:middle nasal meatus】

 中鼻甲介の下にできた空隙のこと。鼻腔における空気の通り道の一つとなる。
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【盲孔 、もうこう、英:foramen cecum】

 「盲孔」を調べてみたが、日人解の索引には見当たらない。また、ネットの場合は、歯に関してはあるが、頭蓋に関してはヒットしない。
 盲孔(もうこう、foramen caecum)とは、退化形の一つ。上顎切歯(特に上顎側切歯)に存在することがある。」(ウィキペディア
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