尺 骨 ( しゃくこつ、英:ulna )
「橈骨と並んで前腕内側(小指側)にある長管状骨(男約24cm、女21~22cm)」「船戸和弥のホームページ」 以下が「日本人体解剖学 (上巻) 」を参考にして作成した上肢骨の分類になる。
「上下の両端と体が区分される。この骨は橈骨とは逆に上端部が大きく下端部が細い。 」「船戸和弥のホームページ」
「日本人体解剖学 (上巻) 」には縁および面の記述はないが、「船戸和弥のホームページ」には以下のような解説が見られる。 「前後および外側の3縁と前後内側の3面が区別出来るが、外側縁は鋭く外側へ張り出し、骨間縁とよばれる。」 【 縁 】
【 面 】 尺骨体は前・後、および内側の3面を有する。
「橈骨および尺骨は近位骨端と遠位骨端とで関節し、橈骨が尺骨を軸にして回転する。この橈骨の運動を回内および回外といい、その位置を回内位(橈骨と尺骨は交叉する)および回外位(橈骨と尺骨は平行する)という。」(日本人体解剖学) ⇒ 回外、回内を表したYouTubeへの投稿動画
「尺骨体では胎生8週ころ、上端では生後4~7歳ころ、尺骨頭では10歳ころに骨化点が現れる。そのほか、鈎状突起および茎状突起にもまた骨化点が現れる。骨幹と骨端との癒合は遠位方(20歳ころ)よりも近位方(17歳ころ)の方が早い。」(日本人体解剖学)
尺骨の一部あるいは全部が欠けることがある。また、橈骨と互いに癒着することもある。」(日本人体解剖学)
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以下が尺骨に付着する筋肉群となる。各筋肉の起始停止は簡単に説明したものとなる。
起 始 |
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橈骨へ停止 |
1 |
尺骨:鈎状突起 ⇔ 橈骨:回内筋粗面 | |
2 |
尺骨:回外筋稜 ⇔ 橈骨:橈側面、近位1/3 | ||
3 |
尺骨:前面、下部1/4 ⇔ 橈骨:前面、下部1/4 | ||
手根骨へ停止 |
4 |
尺骨:後縁、近位1/2 ⇔ 豆状骨、有鈎骨、第5中手骨底 | |
中手骨へ停止 |
5 |
尺骨:後面 ⇔ 第5中手骨底 | |
6 |
尺骨:骨間縁 ⇔ 第1中手骨底 | ||
指節骨に停止 |
7 |
尺骨:尺骨粗面 ⇔ 第2~第5中節骨底 | |
8 |
尺骨:前面、上部2/3 ⇔ 第2~第5末節骨底 | ||
9 |
尺骨:鈎状突起 ⇔ 母指末節骨底 | ||
10 |
尺骨:後面、中央 ⇔ 母指末節骨底 | ||
その他 |
11 |
尺骨:後面、中央より遠位 ⇔ 第2指の指背腱膜 | |
停 止 |
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上腕骨から起始 |
1 |
上腕骨:前面、1/2以下 ⇔ 尺骨:鈎状突起、尺骨粗面 | |
2 |
上腕骨、肩甲骨 ⇔ 尺骨:肘頭 | ||
3 |
上腕骨:外側上顆 ⇔ 尺骨:肘頭 |
・尺骨に起始・停止する筋が分かるイラストを掲載しているサイト-Ⅰ(橈骨・尺骨前面)
・尺骨に起始・停止する筋が分かるイラストを掲載しているサイト-Ⅱ(橈骨・尺骨後面)
・尺骨に起始・停止する筋が分かるイラストを掲載しているサイト-Ⅲ(橈骨・尺骨後面)
・尺骨に起始・停止する筋が分かるイラストを掲載しているサイト-Ⅳ(橈骨・尺骨前面)
・尺骨に起始・停止する筋が分かるイラストを掲載しているサイト-Ⅴ(橈骨・尺骨前面)
・尺骨に起始・停止する筋が分かるイラストを掲載しているサイト-Ⅴ(橈骨・尺骨両面)
・尺骨に起始・停止する筋が分かるイラストを掲載しているサイト-Ⅴ(橈骨・尺骨両面)
以下が尺骨に付着する靭帯となるが、その全てを挙げられていない可能性もある。また、付着部に関しては簡易的に解説したものとなる。
(前、後、横部) |
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尺骨:橈骨切痕 ⇔ 上腕骨:外側上顆 | ||
尺骨:橈骨切痕の前縁と後縁を結ぶ |
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尺骨:橈骨切痕 ⇔ 橈骨:橈骨頚 | ||
尺骨:尺骨頭 ⇔ 橈骨:尺骨切痕 | ||
尺骨:茎状突起 ⇔ 橈骨:下端の内側 | ||
その他 |
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右肘関節(後面) |
右肘関節(内側面) |
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以下が尺骨がその構成に関係する関節となる。
1 |
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2 |
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3 |