舌・シタ( ぜつ、英:tongue )

 

概 要
各部名称
舌乳頭有郭乳頭葉状乳頭茸状乳頭矢状乳頭
舌根の粘膜
舌 筋
脈管/神経動脈静脈リンパ管神経
関連語句
Wikipedia
イラストを掲載しているサイト

 

 

【概 要】

・「表面は口腔粘膜で包まれて,豊富な血管と神経をもつ器官」(Rauber-Kopsch解剖学

・「舌は筋によって、舌骨、下顎骨、茎状突起、軟口蓋、咽頭壁についている。」(日本人体解剖学)

 

鼻腔・口腔・咽頭

(縦断面)

口腔・模式図

(縦断面)

舌と舌筋

(左側面)

舌(上部より)
口腔(前から見て)

舌(模式図)

舌下面

 

【各部名称】

■部 位■

以下は「日本人体解剖学」の解説文となる。

舌の前部を舌尖(apex)、中央部を舌背(dorsum, 舌体:body)、後部を舌根(root)という。舌尖と舌背(舌体)の間の境界は明らかではないが、舌背と舌根との境界部には分界溝(sulcus terminalis)があり明瞭である。舌尖と舌背は舌の前2/3を占め、舌の口腔部ともいわれる。舌根は舌の後1/3を占め、舌の咽頭部ともいわれる。

 
舌(縦断面)
舌(上方から見て)

舌(模式図)

 

 

・舌背の正中線を縦に走る溝を舌正中溝という。

分界溝舌背舌根の境界)は舌正中溝の後部の舌盲孔から両外側方に走っている。

舌盲孔(胎生期の甲状舌管の遺残物)は希に深い盲管舌管)となることがある。

舌根と喉頭蓋との間には以下の3条のヒダが見られる。

  正中喉頭蓋ヒダ、左右の外側舌喉頭蓋ヒダ

・上記のヒダの間にできる陥凹を喉頭蓋谷と呼ぶ。

・舌尖と舌背の外側縁を舌縁と呼ぶ。

・舌尖と舌背の下面を舌下面と呼ぶ。

・舌下面の正中部にあるヒダを舌小帯と呼ぶ。

・舌小帯の後部の左右にある小さな隆起を舌下小丘と呼び、顎下腺管/大舌下腺管が開口している。

・舌内部の舌下腺/顎下腺の導管は舌下小丘から後外側方へ走り舌下ヒダとして確認ができる。

・舌根両側から舌尖に向って走る2対の鋸歯状のヒダを采状ヒダと呼ぶ。

 

【舌乳頭】

語句解説の「舌乳頭」のページを参照のこと。

  

 

舌(上面)
糸状乳頭/茸状乳頭
舌乳頭

 

【舌根の粘膜】

「日本人体解剖学」には以下のような解説文が見られる。

舌根の粘膜は、舌小胞によりレンズ状に隆起する。舌小胞は、多くのリンパ小節の集合からでき、舌扁桃 と総称し、後方は喉頭蓋の前に、両側は口蓋舌弓に向うに従って、次第にまばらとなる。その構造は、口蓋扁桃を小規模にしたようなものである。舌小胞のリンパ組織のまわりは不完全な結合組織性被膜に囲まれている。リンパ球は、しばしば重層扁平上皮を浸潤して扁桃小窩中へ遊出し、いわゆる唾液小体となる。

 

【舌 筋】

・「外舌筋は、舌の位置を変える筋肉であり、内舌筋は、舌の形を変える筋肉である。」(ウィキペディア

「日本人体解剖学」には以下のような解説文が見られる。

舌筋は、全て横紋筋で、外来舌筋と固有舌筋からでき、とくに舌内にある部分はいずれも脂肪を多量に含む結合組織によって多くの小束に分けられる。舌筋には、多くの血管、神経が分布する。

  

 
舌筋(正中断面)
舌(後部断面)
 

 

「日本人体解剖学」では「舌筋の作用」として以下のように解説している。

・オトガイ舌筋の主な作用は、舌を前方に出し、また舌の中央部を下方に引く。

・舌骨舌筋および茎突舌筋の作用は、舌を引き込むと同時に、舌骨舌筋は舌の両縁を下方に引き、茎突舌筋は舌背を高める。この3筋が1側だけ作用すると、舌を外側に曲げる。

・上および下縦舌筋は、舌を短縮させ、横舌筋は舌を細長にし、また垂直舌筋は舌を扁平にさせる

 

【脈管/神経】

■動 脈■

・(外頚動脈の枝)

・舌根)顔面動脈および上行咽頭動脈の扁桃枝 ※他側のものとは吻合しない。

 
 

 

■静 脈■

舌静脈舌背静脈舌下静脈があって、すべて内頚静脈(また、顔面静脈舌静脈も)にそそぐ。」(日本人体解剖学)

 
 

 

■リンパ管■

「舌根部のものは深頚リンパ節に、舌体のものは深頚リンパ節と顎下リンパ節 に、また舌の前部のものは、オトガイ下リンパ節にそそぐ。 」(日本人体解剖学)

 
頭部・頚部のリンパ
 

 

■神 経■

 舌筋 : 舌下神経の舌枝

 舌粘膜(知覚神経):

  ・舌尖 ⇒ 舌神経下顎神経の枝)、

  ・舌根/舌体の接する部 ⇒ 舌咽神経

  ・舌根の後下部中央 ⇒ 上喉頭神経迷走神経

 

 

【関連語句】

か行
 外側舌喉頭蓋ヒダ
さ行
 舌 管
さ行
 舌扁桃
 喉頭蓋谷  舌 筋  舌盲孔
さ行
 采状ヒダ  舌 根
は行
 分界溝
 糸状乳頭  舌小帯  扁桃小窩
 茸状乳頭  舌小胞
ま行
 盲 管
 正中舌喉頭蓋ヒダ  舌正中溝
や行
 有郭乳頭
 舌 縁  舌 尖  葉状乳頭
 舌下小丘  舌体舌背    
 舌下ヒダ  舌中隔    
 舌下面  舌 背    

 

【Wikipedia】

The tongue is a muscular organ in the mouth of a typical tetrapod. It manipulates food for chewing and swallowing as part of the digestive process, and is the primary organ of taste. The tongue's upper surface (dorsum) is covered by taste buds housed in numerous lingual papillae. It is sensitive and kept moist by saliva and is richly supplied with nerves and blood vessels. The tongue also serves as a natural means of cleaning the teeth.[2] A major function of the tongue is the enabling of speech in humans and vocalization in other animals.
The human tongue is divided into two parts, an oral part at the front and a pharyngeal part at the back. The left and right sides are also separated along most of its length by a vertical section of fibrous tissue (the lingual septum) that results in a groove, the median sulcus, on the tongue's surface.
There are two groups of muscles of the tongue. The four intrinsic muscles alter the shape of the tongue and are not attached to bone. The four paired extrinsic muscles change the position of the tongue and are anchored to bone.

【語句】

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