上皮細胞( じょうひさいぼう、英:epithelial cell )

 
概 要
分類形状によるもの層によるもの機能によるもの

 

 

【概 要】

以下に上皮細胞の主な特徴を記す。

・密に接着:細胞同士が密着結合(tight junction)などで強くつながっている。

・極性を持つ:頂端部(apical)と基底部(basal)で構造や機能が異なる。

基底膜に接している:基底膜(basal membrane)により支持される。

・血管をもたない:上皮自体には血管がなく、栄養は基底膜を通じて拡散される。

皮膚
食道の粘膜
腺房・導管(膵臓)

動脈の構造

(内皮=上皮細胞)

 

【分 類】

■形状によるもの■

 

形 状

特 徴
1
扁平上皮
 薄く平ら
 血管内皮、肺胞、心臓内膜、腎臓のボーマン嚢、体腔の内面など
2
立方上皮
 立方体状
 腎臓の細尿管、甲状腺の濾胞、汗腺・唾液腺・膵臓の小導管、卵巣の表面、水晶体の前面、腺房など
3
円柱上皮
 背の高い柱状
 小腸、胃、子宮内膜など
 
扁平上皮
立方上皮
円柱上皮
 

 

■層によるもの■

  特 徴
1
単層上皮
 一層のみ
 吸収・分泌を行う部位に多い
2
重層上皮
 複数層
 皮膚、口腔、食道など
3
偽重層上皮
 一見重層だが実際は単層
 気管上皮など
単層扁平上皮
重層扁平上皮
偽重層上皮

 

■機能によるもの■

種 類
役 割
1
被覆上皮
 体表や内臓の表面を覆う
2
腺上皮
 分泌物を出す(腺房細胞など)
3
吸収上皮
 栄養などを取り込む
 小腸上皮
4
感覚上皮
 刺激を受け取る
 鼻粘膜網膜など

 

 
胃粘膜
腺房(膵臓)
小腸上皮
鼻粘膜(嗅/支持細胞)
 

 

【上皮細胞の例(臓器別)】

小腸:単層円柱上皮、機能)吸収

皮膚:重層扁平上皮(角化)、機能)保護

気管偽重層線毛円柱上皮、機能)粘液分泌・異物排除

腺房膵臓など):単層立方上皮、機能)酵素の分泌

小腸上皮
表皮の構造
偽重層上皮
腺房(膵臓)