股関節 ( こかんせつ、英: hip joint

 

 

 

 足の付け根にある股関節は下肢骨の関節の一つで、大腿骨()と寛骨()によって形成される私たちの身体の中で最も大きな関節になる。(以下の表は「日本人体解剖学 (上巻) 」を参考に作成したものとなる)

 

 球関節の一種の臼状関節で、関節頭である大腿骨頭のその半分以上が関節窩である寛骨臼に嵌入しているため、同じ球関節である肩関節に比べると運動はかなり制限される。

 

 

 
右下肢全体
右股関節

 

 もう少し、構成要素である部分を詳しく見ていくと

■ 寛骨臼 ■

 大腿骨頭と接する面(関節面)で軟骨で覆われている。半月に似ているのでその名が付けられた。
寛骨臼の中央部の軟骨のない部分。骨膜で覆われた脂肪組織で満たされ、大腿骨頭靭帯がここから出ている。

関節唇  

acetabular labrum

 寛骨臼縁の全周に渡って存在する線維性軟骨で、寛骨臼大腿骨の安定に一役 買っている。

 

右寛骨(外側面)

■ 大腿骨頭 ■

 関節軟骨で覆われている。また、頂点より少し下に大腿骨頭窩という小さなくぼみがあり、大腿骨頭靭帯がここから出ている。

 

関節包

 強靭な関節包で「日本人体解剖学 (上巻) 」では以下のように解説している。

「関節包は、上方では寛骨臼の周囲から起こり、下方に至ると前面では大転子の根部から転子間線にわたり、後面ではこれより少し上方で大腿骨頚につき、両端はそれぞれ大・小転子にいく。 」

 ⇒ 参考になりそうなイラストを掲載しているサイト-Ⅰ

 ⇒ 参考になりそうなイラストを掲載しているサイト-Ⅱ

 ⇒ 参考になりそうなイラストを掲載しているサイト-Ⅲ

 ⇒ 参考になりそうなイラストを掲載しているサイト-Ⅳ

 

右大腿骨(上部)

股関節断面

右股関節(外側面)

寛骨臼と大腿骨頭

 

 

 以下が股関節の動作に関係する筋肉群となる。存在する場所によって4つに分けてみた。

adductor
前 面
1
 大腰筋  psoas major
2
 腸骨筋  iliacus
3
 大腿直筋  rectus femoris
4
 縫工筋  sartorius
後 部
1
 内閉鎖筋  obturator internus
2
 外閉鎖筋  obturator exterus
3
 上双子筋  gemellus superior
4
 下双子筋  gemellus inferior
5
 梨状筋  piriformis
6
 大腿方形筋  quradratus femoris
7
 大殿筋  gluteus maximus
8
 中殿筋  gluteus medius
9
 小殿筋  gluteus minimus
10
 半膜様筋  semimembranosus
11
 半腱様筋  semitendinosus
12
 大腿二頭筋(長頭)  biceps femoris (long head)
内側部
1
 恥骨筋  pectineus
2
 長内転筋  adductor longus
3
 短内転筋  adductor brevis
4
 大内転筋  adductor magnus
5
 薄筋  gracilis
外側部
1
 大腿筋膜張筋  tensor fasciae latae

 

 以下が股関節を補強する靭帯になる。

1
 英:ligament of head of femur
 寛骨臼窩大腿骨頭窩を結ぶ関節包内靱帯で、閉鎖動脈後枝が通っている。
2
 英:tansverse ligament of acetabulum 
 関節唇とともに、関節窩を深くしている。
3

英:iliofemoral ligament

 体の中で最も強靭な靭帯で、Y字を逆にしたような形になっているのでY字靭帯とも呼ばれる。

 運動制限:伸展(両側)、外旋・内転(外側部)、内旋(内側部)

4
 英:pubofemoral ligament
 寛骨臼小転子の間を結ぶ靭帯 運動制限:外転
5
 英:ischiofemoral ligament
 寛骨臼と、輪帯および転子窩との間を結ぶ靭帯 運動制限:内旋
6
 英:zona orbicularis
 大腿骨頸を輪状に取り巻く靭帯
 
 

右股関節(前面)

右股関節(後面)

右股関節(外側面)

 

 


「プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系 第2版」には以下のような解説が見られる。

 「股関節は球関節なので、3つの運動軸を持つ。3とも大腿骨頭の中心(股関節の支点)を通り、互いに直交する。それゆえに、関節は3次元での運動が可能であ、6つの主要な方向に動かすことができる。」

 

  

 

 
 
横軸/縦軸
矢状軸
 

 ⇒ 参考になるイラストを掲載しているサイト

 

■ 屈 曲 (flexion) ■

 いわゆる「膝を上げる」動作になり、歩行時には大切な動きとなる。

 可動域:膝関節を曲げて120°~140°

 
 

■ 伸 展 (extension) ■

 日常生活ではほとんど行わない足を後ろにそらせる動作なため必然的に可動域も小さくなる。

 可動域:膝関節を伸展させて15°~20° 

 ※膝関節を屈曲させると可動域はさらに小さくなる。

 

■ 内 転 (adduction) ■

 足を内側方に上げる動作で、日常生活ではほとんど行わない動作のため可動域はかなり小さい。

 可動域:10°~20°

 

■ 外 転 (abduction) ■

 内転よりはかなり可動域が大きくなる。股関節を開く動作になり、エクササイズとしてはバレエや格闘技系の「蹴り」などで求められる。

 可動域:40°~50°

 

■ 内 旋 (internal rotation) ■

 足を内側に回旋させる動作で、日常生活ではほとんど行われることはないし、エクササイズなどでも意識して行うことは稀と思われる。

 可動域:40°~45°

 内旋だけに働く筋肉はなく、小殿筋が主動作筋となっている。

 
 

■ 外 旋 (external rotation) ■ 

 足を外側に回旋させる動作で、バレエなどのスタンディングポジションではこの動きが求められる。

 可動域:40°~50°

 


 

 


 以下が股関節に関係すると思われる語句になる。


頸体角
大腿骨骨幹部と大腿骨頸部とのなす角で、成長するに従ってその角度は小さくなる。
 ・新生児:140°~160° ・10歳:130°~140°  ・成人: 125°~135°

■ 前捻角 ■
 大腿骨頸部の軸は大腿骨幹部前額面よりも前方にねじれ、このねじれを成す角度のこと。成長するに従って
小さくなる。
 ・新生児:15°~57°  ・1~3歳:20°~50°  ・成人:12°~15°