運動に限らず、「話をする」「食事をする」「呼吸をする」など特に意識をしないで行っているが、これらの動作ができるのもすべて筋肉のお陰である。
私たちの体の中には3種類約450の筋肉がある。
【筋肉の種類】
筋肉の分類方法にはいくつかあるが、ここでは以下のように3つに分けている。
1 |
骨格筋 |
主に骨格に付着している筋肉なのでこう呼ばれている。アクチンとミオシンというタンパク質が規則正しく並び、顕微鏡で観察すると縞模様が見られるために組織学的には横紋筋に分類される。体勢の維持や運動するときに用いられ、
全身の筋肉の大部分を占める。
また、自分の意志によってコントロールできる随意筋でもある。 |
2 |
平滑筋 |
心臓を除く内臓(胃、腸管、血管など)の臓器壁を構成している筋肉(内臓筋)で、横紋筋のようにアクチンとミオシンの規則正しい並びはないので縞模様は見られない。
また、自分の意志では動かすことができず(不随意筋)、その働きは自律神経や各種ホルモンによってコントロールされている。 |
3 |
心 筋 |
心臓を構成する固有の筋肉で、骨格筋と同じく横紋筋である。骨格筋が多核細胞で構成されているのに対して、心筋は単核細胞で構成されている。 自分の意志ではコントロールできない不随意筋である。
また、心筋には非常に多くのミトコンドリアが存在し、常に動き続けている心筋に対してエネルギーを送り続けている。 |
【筋肉の働き】
1. 体温調節:筋肉を動かすことによって熱が発生し、体温を調節している。
寒い日に体がブルブルと震えるのも、筋肉を動かすことによって体温を上げている。
2. 脂肪燃焼作用:体に蓄積された脂肪は筋肉のエネルギーとなることによって燃焼される。
3. 骨の強化:筋肉を動かすことによって骨に刺激が与えられ、骨密度が増す。
4. 血液循環促進:足の筋肉は「第2の心臓」などと言われることがある。これは足の筋肉を動かすこ
とによって血管を圧迫して血液の循環を促進しているためである。