タンパク質( たんぱくしつ、英:protein )

 
栄養学的考察
解剖学的考察
・タンパク質の分類
 1. 構成成分による分類
 2. 立体構造による分類
 3. 機能による分類
 4. 起源・由来による分類
 5. 化学的組成による分類

 

 

・体重の約20%を占めていて、水の次に多い物質。

        

 

      

 

【タンパク質を多く含む食品】

以下はタンパク質を多く含む食品の例となる。「単位(g)」の数字は食品100あたりのタンパク質の量を表す。

  食品名 単位(g)   食品名 単位(g)

1

 まぐろ(赤味)

28.3

6

 真鯛

19.8

2

 かつお

25.8

7

 鶏むね肉

19.7

3

 鶏ささみ肉

24.0

8

 和牛ヒレ

19.5

4

 プロセスチーズ

22.7

9

 アジ

18.7

5

 豚モモ肉

20.4

10

 和牛サーロイン

16.9

 

 ・2013年12月16日付の朝日新聞の記事の「迫れ、細胞リサイクル(病気の解明に期待 研究進む)」に以下のような解説が掲載されていた。

「呼吸や栄養の消化など、あらゆる生命の営みにたんぱく質は欠かせない。このため生物は常に大量のたんぱく質を体内で合成している。人間は、毎秒300万個のペースで作る赤血球をはじめ、1日に約400グラムのたんぱく質を作る。食事で補給するたんぱく質は1日80~90グラム。残りは不要になったり、壊れたりしたたんぱく質をリサイクルして補っている。その役割を担うのがオートファジーだ。」

 

【タンパク質の利用】

・体内でのエネルギー源ともなるタンパク質であるが、摂取しすぎると脂肪として体内に蓄積される。

 

 


タンパク質の分類には以下のようなものがある。

■構成成分による分類■

分類名
内 容
純タンパク質
 アミノ酸のみからなる
 アルブミン、グロブリン
複合タンパク質
 タンパク質 + 非タンパク質成分
 ヘモグロビン(ヘム付き)
1
糖タンパク質
 糖鎖が付加
 IgG、ムチン
2
リポタンパク質
 脂質が付加
 HDL、LDL
3
クロモタンパク質
 色素が結合
 ヘモグロビン
4
ヌクレオタンパク質
 核酸と結合
 ヒストン、リボソーム
5
金属タンパク質
 金属イオンを含む
 フェリチン、亜鉛フィンガー
6
リンタンパク質
 リン酸基が付加
 カゼイン、酵素類

 

立体構造による分類

分類名
内容
1
 繊維状タンパク質
 長く伸びた構造。構造支持の役割。水に溶けにくい
 ケラチン(髪)、コラーゲン
2
 球状タンパク質
 丸くコンパクトな構造。酵素などの機能性が高い
 ヘモグロビン、酵素、抗体
3
 膜タンパク質
 細胞膜に埋まっている。輸送や情報伝達に関与
 イオンチャネル、受容体

 

機能による分類

分類名
機 能
1
酵素
化学反応の触媒
アミラーゼ、DNAポリメラーゼ
2
輸送タンパク質
物質の運搬
ヘモグロビン、トランスフェリン
3
構造タンパク質
細胞や組織の構造を支える
アクチン、コラーゲン
4
貯蔵タンパク質
栄養源
フェリチン(鉄貯蔵)、カゼイン
5
受容体タンパク質
シグナル受容
インスリン受容体
6
運動タンパク質
運動・収縮
ミオシン、キネシン
7
調節タンパク質
遺伝子発現の調整など
転写因子、ホルモン類
8
免疫タンパク質
免疫応答
抗体(IgGなど)

 

■起源・由来による分類■

分類名
内 容
1
動物性タンパク質
動物に由来
卵白アルブミン、ミオグロビン
2
植物性タンパク質
植物に由来
グリアジン(小麦)、レクチン

 

■化学的性質による分類■

分類名
内 容
1
酸性タンパク質
 酸性アミノ酸が多い
 DNA結合タンパク質
2
塩基性タンパク質
 塩基性アミノ酸が多い
 ヒストン
3
中性タンパク質
 バランス型
 アルブミン