体内で脂肪をエネルギーとして利用するときに働く物質(アミノ酸の仲間)で、肉などの食品から摂取するほか体内でも合成されている。
【もっと詳しく】
カルニチンは脂肪燃焼には不可欠な物質で、体内では必須アミノ酸であるリジン、メチオニンから肝臓、腎臓で合成(約100㎎/日)されている。ほとんどが骨格筋や心筋に蓄えられている。
・体内への蓄積
筋肉・心臓 |
約98% |
肝臓・腎臓 |
約1.4% |
他臓器・体液 |
約0.6% |
体内には約20gほどが蓄積されているが、カルニチンの体内合成能力は20代をピークに加齢とともに低下し、中高年では半減するとのデータもある。
また、厳格な菜食主義者(ベジタリアン)は、カルニチンの含有量が豊富な肉を食せず、なおかつ植物にはカルニチンの合成に必要なリジン、メチオニンの含有量が少ないため注意が必要となる。
【種 類】
通常「カルニチン」というと「L-カルニチン」のことと思って構わないと思われる。
1 |
L-カルニチン |
通常、医療やサプリメントなどで言うカルニチンのことで、薬理作用があるもの。接頭語の「L-」を省略して用いられることも多い。
レボカルニチンとも。 |
2 |
D-カルニチン |
L-カルニチンを鏡に映した(光学異性体)構造のカルニチンで、L-カルニチンのような薬理作用はない。 |
3 |
DL-カルニチン |
L-体、D-体の両方が混ざったもの。 |
【作用】
その作用には以下のようなものが挙げられる。
1 |
体脂肪の燃焼促進 |
筋肉の細胞内において、エネルギー源となる脂肪(遊離脂肪酸)をエネルギーを産生するミトコンドリアまで運搬している。
⇒ 脂肪燃焼の仕組み |
2 |
心臓の機能向上 |
心筋のエネルギーの70%が脂肪酸、その脂肪酸をエネルギーとして利用することの補助をしているカルニチンの量が豊富であれば、心臓の機能も向上する。実際に医療現場でも用いられている。 |
【カルニチンを多く含む食品】
特にヤギや羊、そして牛肉の赤身の部分に多く含まれている。※
・ヤギ肉の赤身 … 約220㎎(/100g)
・羊肉の赤身 … 約210㎎(/100g)
・牛肉の赤身… 約60~67㎎(/100g)
※資料によって数字が異なるので参考程度に…。また、熱に弱いでの、不足気味の人はサプリメントとし
て摂取することは有効。
【サプリメント】
脂肪燃焼系サプリメントとして多くの人が利用。特に米国では肥満対策として用いられている。
⇒ サプリメントしての解説ページ
【参考にしたサイト】
・ウィキペディア
・「脂質と血栓の医学」(薬理的?にかなり詳しく解説したサイト、素人には難しすぎる)
・supplement-navi(構造式、歴史、医薬品などいろいろな角度から解説)
・カルニチンのダイエット効果 7つのメリット