小胞体 ( しょうほうたい、英:endoplasmic reticulum ) 私たちの身体のそれぞれの細胞内にある器官(細胞小器官)の一つで、タンパク質が合成される場所となっている。 【もっと詳しく】 小胞体(ER)は生体膜に囲まれた板状あるいは網状の膜系で、核膜の外膜とつながっている。その形状から大きく以下の2つに分けることができるが、両者は連絡し合っている。 1 粗面小胞体 rough endoplasmic reticulum 扁平な袋が層板状に連なっていて、多数のリボソームが外側面に結合しているため「粗面」という呼称になっている。 2 滑面小胞体 smooth endoplasmic reticulum 枝分かれした筒状で、リボソームの結合はない。骨格筋の滑面小胞体はカルシウムイオンを蓄える働きがあり、筋小胞体(SR)と呼ばれている。 小胞体の機能には以下のようなものがある。 1 タンパク質の合成および輸送 粗面小胞体の機能。リボソームからトランスロコン(透過装置)を通して輸送されたタンパク質をより高次構造のタンパク質(分泌タンパク質・膜タンパク質)にし、自らが出している輸送小胞によって他の細胞小器官や細胞膜に輸送している。また、高次構造にできなかったタンパク質は、トランスロコンを通して外へ排出され分解される。 ⇒ 小胞体におけるタンパク質品質管理機構の模型図を掲載しているサイト ⇒ 小胞体に存在するであろう複数の小胞体関連分解経路の模型図を掲載しているサイト 2 リン脂質・ステロイド・脂肪酸の合成 滑面小胞体ではリン脂質、ステロイド、脂肪酸などが合成されている。 3 カルシウムの貯蔵 小胞体はカルシウムの貯蔵庫となっていて、細胞外から流入するカルシウムとともに細胞内のカルシウム濃度の調節を行っている。 4 さまざまな物質の代謝 酵素(シトクロムやシトクロムP450など)がさまざまな物質の代謝を行っている。 ⇒ 小胞体の電子顕微鏡写真を掲載しているサイトⅠ ⇒ 小胞体の電子顕微鏡写真を掲載しているサイトⅡ ⇒ 小胞体の電子顕微鏡写真を掲載しているサイトⅢ ⇒ 小胞体の電子顕微鏡写真を掲載しているサイトⅣ ⇒ 小胞体の電子顕微鏡写真を掲載しているサイトⅤ(粗面小胞体と滑面小胞体を別々に) ⇒ 小胞体の電子顕微鏡写真を掲載しているサイトⅥ(粗面小胞体とそれに結合しているリボソーム) 【参考にしたサイト】 ・ウィキペディア ・「森の里ホームズ」の「小胞体」 ・「細胞エクスプローラー」の「小胞体」 ・「生物細胞学の世界へようこそ」の「細胞のプロフィール」