補 体 ( ほたい、英:complement

 

 補体とは、細菌やウイルスなどの外敵が体内に侵入したときに働く免疫系の一部で、血液中を循環しているタンパク質のこと。

 

【もっと詳しく】

 補体は血液中のタンパク質の一種で、通常は不活性な形で血流に乗って体内を循環しているが、細菌やウイルスなどの外敵が体内に侵入したときに抗体によって活性化され免疫反応を促進させる。

 

<種 類>

 補体は20以上のタンパク質タンパク質断片より構成され、その中には血清タンパク質漿膜タンパク質、そして細胞膜レセプターを含む。これらのタンパク質は主に肝臓で合成され、血清グロブリン分画の5%を占める。

 補体の成分は、補体の英語のcomplementの頭文字のCを取ってC1~C9のように主に「C+番号」で表されるが、そうでない場合もある。中にはサブタイプを持つものもあり、その場合は「C1q」のように「C+番号+アルファベット」で表す。また補体同士が結合した複合体の場合は以下のような表し方になる。

 

 

 以下、ウィキペディアからの引用文

「さらに、C1~C9の補体タンパク質以外にB因子、D因子などを含めた16種類のタンパク質、液性(血液中にある)の5つの調節因子(I因子、H因子、C4Bp、C1抑制因子、properdin)、細胞膜上の4種類の調節因子 (CR1、CR2、membrane cofactor protein、decay accelerating factor) などのタンパク質も補体の機能の発現・調節に関与しており、これらを総称して補体系と呼ぶ。 」

 

<働 き>

 抗体にはいろいろな働きがあるが、「免疫の活性化」と言うことに関しては以下の3つが挙げられる。

1
抗原のオプソニン化
関与する補体
抗原に補体が結合して、貪食細胞の食作用を活性化させる。 ⇒ 詳細ページ
C4b,C3b
2
細菌の細胞膜破壊
関与する補体

補体同士が結合した複合体が、抗原の細胞膜に孔を開けることによって細胞外の物質が内部に流入して破裂(融解)させてしまう。

模式図を掲載して詳細に解説しているサイト

C5b678,C5b6789
3
好中球などの化学遊走
関与する補体
病原菌に感染した部位に好中球を呼び寄せる作用で、好中球はその表面に補体成分を感じ取るレセプターを持っている。
C5a,C5b67

 

 

 

<活性化>

 補体系の活性化には以下の3つの化学的経路がある。

1
古典経路

classical pathway

IgMまたはIgGの抗体分子のFc部に補体が結合することから始まる経路

2
第2経路副経路

alternative pathway

微生物の細胞膜上で起こる経路  ⇒YouTubeへの投稿動画

3
レクチン経路

Lectin pathway

レクチンによって活性化される経路

 

 

 

【参考にしたサイト】

ウィキペディア

・「役に立つ薬の情報~専門薬学」の「補体の働きと作用