ペプシン( 英:pepsin )

概 要
消化酵素一覧表
ウィキペディア

 

 

【概 要】

        

・「アスパラギン酸プロテアーゼの一つ」(ウィキペディア

・「ペプシンの分泌は,十二指腸粘膜から分泌される消化管ホルモン,セクレチンにより促進される。」(世界大百科事典

・「基質特異性は芳香族および酸性アミノ酸残基の隣り(C末端側)を加水分解する。」(化学事典

・「活性化の程度によって3種類のペプシン,A(EC 3.4.23.1),B(EC 3.4.23.2),およびC(EC 3.4.23.3)が得られる.」(化学事典

 

【タンパク質の消化吸収】

    

 

【消化酵素一覧表】

 消化酵素は分解される栄養素によって以下のように主に3つに分けることができる。参考:ウィキペディア

炭水化物

分解酵素

唾液
プチアリンとも。多糖であるデンプンを主に二糖であるマルトースに分解する。
膵液
膵アミラーゼ、アミロプシンとも。多糖であるデンプンを主に二糖であるマルトース変える。
腸液
スクラーゼ
二糖であるスクロースをブドウ糖単糖)とフルクトース(果糖)に変える。
マルターゼ
二糖であるマルトースをブドウ糖単糖)に変える。
ラクターゼ
二糖であるラクトース(乳頭)を単糖であるブドウ糖とガラクトースに変える。

タンパク質

分解酵素

胃液
タンパク質をペプトンに変える。
レンネット
膵液
トリプシン
タンパク質やペプトンをポリペプチドやオリゴペプチドにする。塩基性アミノ酸残基にはたらく。
キモトリプシン
タンパク質やペプトンをポリペプチドやオリゴペプチドにする。芳香族アミノ酸残基にはたらく。
エラスターゼ
タンパク質やペプトンをポリペプチドやオリゴペプチドに変える。

カルボシキ

ペプチダーゼA

タンパク質のカルボキシル末端のペプチド結合を切断して中性、酸性アミノ酸を遊離させる。

カルボシキ

ペプチダーゼB

タンパク質のカルボキシル末端のペプチド結合を切断して塩基性アミノ酸を遊離させる。
腸液

アミノ

ペプチターゼN

タンパク質のアミノ末端のペプチド結合を切断してアミノ酸を遊離させる。

脂肪分

解酵素

全液
リパーゼ

脂肪(トリグリセリド)を最終的にモノグリセリド脂肪酸に分解する。

※唾液には少量含まれる。リパーゼが腸液に含まれるとするかは解釈が分かれている。

 

 

以下は「ウィキペディア」の解説文となる。

ペプシン (pepsin,EC.3.4.23.1-3) は動物ので働くタンパク質分解酵素の一つ。アスパラギン酸プロテアーゼの一つ。ギリシア語で「消化」を意味する πέψις(ラテン文字転写 pepsis)に因んだ命名。


【性質】

遺伝子翻訳産物は不活性型な前駆体であるペプシノーゲンとして胃底腺の主細胞で作られる。これが塩酸を含む胃液中に分泌されるとpHの低下で立体構造が変化し、N末端側のプロ配列を二段階のプロセッシングで切り落とすことによって、活性型のペプシンとなる。また活性化されたペプシン自身もペプシノーゲンに作用し、これを活性化する。強酸性であるpH 2.0付近が最適条件である。一度活性化されたペプシンは中性・アルカリ性条件にすると不可逆的に立体構造が変性し活性を失う。十二指腸の粘膜は重炭酸イオンにより胃酸を中和するとともにペプシンを不活性化している。タンパク質を分解し、吸収しやすい形に変える。


【基質特異性】

タンパク質・ペプチド鎖の酸性アミノ酸残基(アスパラギン酸グルタミン酸)-芳香族アミノ酸残基と続く配列のN末端側を切断することができる。