・空腸/回腸の違い（パイエル版、輪状ヒダ、絨毛、その他）
（）
・「空腸・回腸の長さは、生体と死体とでは差異が激しく、生体では2～3ｍ、死体では6～7ｍに達する」（日本人体解剖学）
理由：死体での長さが生体より長くなる理由は、主に筋緊張の喪失と重力・張力の変化によるもの（ChatGPT）
・「腹腔内を迂曲走行する自然の状態では臍部、下腹部および左腸骨窩に空腸がみられ、大骨盤、下腹部および右腸骨窩に回腸が見られる。 」（日本人体解剖学）
空腸と回腸には明確な境界もなく類似点も多い。よって、この項では相違している部分の解説をしていく。腸壁の構造だったり神経・血管などの関しては空腸の項を参照していただきたい。
■パイエル板■
■輪状ヒダ■
■絨毛■
■その他■
・腸壁がに比べると薄い。
・腸管膜内脂肪が多い。
・動脈の吻合が多い。
・粘膜：空腸が赤っぽく明るく見えるのに対して回腸はやや暗く灰赤色
（理由：血流やリンパ組織の分布の違い）
以下は「ChatGPT」を参考にしたものとなる。
■径一覧■
|
部 位 |
外 径(cm) |
内 径(cm) |
備 考 |
空腸 |
上部（近位） |
約 3.0–3.5 |
約 2.5–3.0 |
最も太い部分。粘膜ヒダ（輪状ヒダ）が発達。 |
下部（遠位） |
約 2.8–3.2 |
約 2.3–2.8 |
徐々に細くなる。 |
回腸 |
中 部 |
約 2.5–2.8 |
約 2.0–2.5 |
リンパ組織（パイエル板）が増えてくる。 |
末 端 |
約 2.0–2.5 |
約 1.5–2.0 |
最も細い。回盲弁へ続く。 |
■吸収一覧■
| |
項 目 |
空 腸 |
回 腸 |
1 |
主な役割 |
栄養素の主要な吸収 |
特殊物質の吸収 + 残りの吸収 |
2 |
吸収効率 |
非常に高い |
空腸より低い |
3 |
吸収物質 |
糖、アミノ酸、脂質、水、電解質、Ca、Fe |
B12、胆汁酸、Na、残りの栄養 |
4 |
組織的特徴 |
絨毛が高い、ひだが多い |
絨毛は低め、Peyer板が多い |
5 |
輸送機構 |
多様で多数 |
特殊輸送体が存在（B12、胆汁酸） |
■総合一覧■
| |
項 目 |
空 腸 |
回 腸 |
1 |
位 置 |
十二指腸に続く小腸の上部 |
空腸に続き盲腸につながる小腸の下部 |
2 |
全 長 |
小腸全体の約2/5 |
小腸全体の約3/5 |
3 |
壁の厚さ |
厚い |
薄い |
4 |
血管分布 |
豊富（血管が太く少数の弓状を形成） |
比較的乏しい（細い血管が多数の弓状を形成） |
5 |
脂肪沈着 |
腸間膜の脂肪は少ない |
腸間膜の脂肪は多く、腸管近くまで及ぶ |
6 |
ひだ |
高くて密、発達している |
低くて疎、末端部ではほぼ消失 |
7 |
リンパ組織 |
孤立リンパ小節が主体 |
パイエル板（集合リンパ小節）が多い |
8 |
色 調 |
赤みが強い |
淡いピンク色 |
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