【概 要】
非必須アミノ酸の一種で、体内に最も多く存在するアミノ酸。
【グルタミンを多く含む食品】
魚類、肉類、たまご、海藻など。
※食事などから摂取できるグルタミンは、その食品中のタンパク質量の4~5%と言われている。
【もっと詳しく】
身体の中でタンパク質を構成するアミノ酸の一つで、骨格筋の細胞に存在する遊離アミノ酸の50~60%がグルタミンと言われている。また、骨格筋以外でも血液中に豊富に存在している。
怪我をした場合や激しい運動の後は体内でのグルタミンの消費量が一時的に増加する。もちろん体内でもグルタミンの合成は行われているが、その需要に間に合わない場合もあり準必須アミノ酸とみなされる場合もある。
また、グルタミン酸というアミノ酸もあるが、働きは全く異なり、グルタミンがエネルギーの代謝に大きく関わっているのに対して、グルタミン酸は神経伝達物質としての役割がメインとなる。
場 所 |
グルタミンの割合 |
骨格筋タンパク質 |
6.6% |
骨格筋細胞内の遊離アミノ酸 |
61% |
血 漿 |
20% |
【作 用】
その作用には以下のようなものが挙げられる。
1 |
筋タンパク質の合成の促進 |
筋タンパク質の構成のメインとなっているアミノ酸。体内にそのが豊富であれば、筋肉の合成も促進される。
⇒ 筋肉痛や筋疲労の軽減 |
2 |
免疫細胞の活性化 |
生体を防御している白血球などを増殖させる。 |
3 |
小腸の機能の活性化 |
小腸においてグルタミンは他の アミノ酸よりも早く吸収され、代謝のエネルギー源となっている。 |
4 |
細胞合成の促進 |
身体の中では常に新しい細胞が生まれ、古い細胞が死んでいっているが、グルタミンには新しい細胞が生まれるのを促進させる働きがあり、医療分野でも外科的な手術後の患者や火傷などを負った患者に、皮膚の再生を促進させるために用いられている。 |
【グルタミン/グルタミン酸比較表】
| |
項 目 |
グルタミン |
グルタミン酸 |
1 |
分 類 |
アミノ酸 |
アミノ酸 |
2 |
側 鎖 |
アミド基(–CONH₂) |
カルボキシル基(–COO⁻) |
3 |
電荷(生理的pH) |
中性 |
負に帯電 |
4 |
神経伝達物質 |
❌ |
⭕(興奮性) |
5 |
体内量 |
非常に多い |
比較的少ない |
6 |
主な役割 |
窒素運搬、代謝、合成前駆体 |
神経伝達、代謝中間体 |
【アミノ酸トップ10】
| |
アミノ酸 |
分 類 |
特徴・補足 |
1 |
|
|
体内最多。窒素運搬・免疫・腸管の主要燃料 |
2 |
|
|
筋→肝の糖新生(グルコース‐アラニン回路) |
3 |
|
|
代謝中枢・主要興奮性神経伝達物質 |
4 |
|
|
筋タンパク合成シグナル(BCAA) |
5 |
|
|
必須アミノ酸、タンパク構造安定化 |
6 |
|
|
BCAA、筋代謝に重要 |
7 |
|
|
BCAA、エネルギー代謝 |
8 |
|
|
|
9 |
|
|
脂質・核酸合成、代謝分岐点 |
10 |
|
|
|