「日本人体解剖学 (下巻) 」には以下のような解説が見られる。
「(外耳道は)耳介と中耳とを連絡し、外側方の軟骨性外耳道と内側法の骨性外耳道からなる。軟骨性外耳道は短く(1/3)、骨性外耳道は長く(2/3)、両者は外耳孔(骨性)で互いに移行し、この部分が外耳道で最も狭い部位となる(峡部 isthmus)。」
外耳道軟骨 : 上方に開く半環状で、内側端は骨性外耳道の外耳孔に付着し、外側端は峡部につらなる。外耳道軟骨の短い後上壁は、結合組織性膜によって閉ざされている。(日本人体解剖学 (下巻) )
骨 部 : 皮膚は薄く骨膜に固着している。
軟骨部 : 皮膚はやや厚く、毛包腺や微細な毛のほかに耳道腺を含む。
耳道腺:アポクリン汗腺の一種で、脂肪性の分泌物を出し、剥離した上皮とともに耳垢をつくる。
「日本人体解剖学 (下巻) 」には以下のような解説が見られる。
「外耳道内側端の皮膚は著しく薄くなり鼓膜皮膚層をつくる。外耳道に生じる老人毛を耳毛と呼ぶ。以上、外耳についての説明は成人のものであるが、小児ことに乳幼児のものは成人のものとかなり相違する。」
外耳道には2つの弯曲があるため、通常は鼓膜を直接観察することはできない。湾曲は主に軟骨部に見られる。
第1湾曲 : 入口部のすぐ後ろにあって上前方に向かう。
第2湾曲 : 軟骨部と骨部との境界の近くにあって後上方に向かう。
「日本人体解剖学 (下巻) 」には以下のような解説が見られる。
「新生児の外耳道が成人のものと比べて相違する主な点は、骨部を欠如することと鼓膜の傾斜がはなはだしいことである。成人の外耳道は広く開いた管状を呈するが、乳幼児のものは上下壁が互いに接触する程度に近づき裂隙状にせばまる。成人では鼓膜を見るために耳介を後上方に引くが、乳幼児では耳垂を下方に引き外耳道を開いた方が見やすい。」
動 脈 : 前耳介枝(浅側頭動脈から出る)、後耳介動脈、骨部は顎動脈からの深耳介動脈も受ける。
静 脈 : 前耳介静脈
リンパ管 : 耳介後リンパ節、浅・深耳下腺リンパ節、上深頚リンパ節
神経 : 耳介側頭神経から来る外耳道神経および迷走神経耳介枝(Arnold’s nerve)を受ける。
以下は「Wikipedia」の解説文となる。
The ear canal (external acoustic meatus, external auditory meatus, EAM) is a pathway running from the outer ear to the middle ear. The adult human ear canal extends from the pinna to the eardrum and is about 2.5 centimetres (1 in) in length and 0.7 centimetres (0.3 in) in diameter.
【Structure】
The human ear canal is divided into two parts. The elastic cartilage part forms the outer third of the canal; its anterior and lower wall are cartilaginous, whereas its superior and back wall are fibrous. The cartilage is the continuation of the cartilage framework of pinna. The cartilaginous portion of the ear canal contains small hairs and specialized sweat glands, called apocrine glands, which produce cerumen (ear wax).
The bony part forms the inner two thirds. The bony part is much shorter in children and is only a ring (annulus tympanicus) in the newborn. The layer of epithelium encompassing the bony portion of the ear canal is much thinner and therefore, more sensitive in comparison to the cartilaginous portion.
Size and shape of the canal vary among individuals. The canal is approximately 2.5 centimetres (1 in) long and 0.7 centimetres (0.28 in) in diameter. It has a sigmoid form and runs from behind and above downward and forward. On the cross-section, it is of oval shape. These are important factors to consider when fitting earplugs.
【 語 句 】
・outer ear:外耳 ・middle ear:中耳 ・pinna:耳介 ・eardrum:鼓膜 ・elastic cartilage:弾性軟骨 ・cartilaginous:軟骨の ・fibrous:繊維質の ・sweat gland:汗腺 ・apocrine gland:アポクリン腺 ・cerumen/ear wax:耳垢 ・annulus tympanicus:鼓膜輪 ・epithelium:上皮 ・in comparison to~:~と比較して ・sigmoid form:S字形状 ・earplug:耳栓
【写真やイラストを掲載しているサイト】
・イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅰ
・イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅱ
・イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅲ