骨芽細胞( こつがさいぼう、英:osteoblast

 

・概 要
・受容体 (一覧表)
・骨芽細胞/骨細胞比較表
・参考となるサイト

 

 

【概 要】

■見られる場所■

1. 骨膜 : 外膜、内膜の二層構造で、骨芽細胞などの細胞成分は薄く骨に近い内層に存在

2. 骨内膜髄腔、血管・神経の通路(ハバース管、他)、海綿質骨梁に見られる非常に薄い膜

3. 骨表面 : 骨芽細胞は骨の内部には見られず、骨表面に存在し骨細胞への分化への準備をする。

・骨芽細胞は破骨細胞骨髄系幹細胞由来)とともに骨のリモデリング(再構築)に深く関与している。

以下の図は骨膜の構造を表した模式図となる。骨膜の場合、前骨芽細胞は内層の骨に近い部分に並ぶ形になる。

【受容体】

以下、骨芽細胞におけるエストロゲンの働きを簡単に記す。

1. 骨形成の促進

  骨芽細胞の増殖・分化を直接刺激し、骨基質の分泌を活発化 骨量維持に直結

2. 骨吸収の抑制(間接作用)

  骨芽細胞が分泌するRANKL/OPGのバランスを調整 破骨細胞活性を抑制 → 骨吸収を減らす

3. 閉経後の骨量減少との関連

  閉経後のエストロゲン低下 → 骨芽細胞活性低下、破骨細胞活性増加 → 骨粗鬆症

  この臨床的影響の大きさから、エストロゲン受容体が特に注目される

 

■受容体一覧■ 参考:「ChatGPT」

 

 
物 質
専用受容体
作用の概要
1

エストロゲン

ERα, ERβ(Estrogen Receptors) 骨形成促進、破骨細胞抑制
2 副甲状腺ホルモン(PTH PTH1R(PTH receptor type 1) 骨形成・骨吸収の調節
3 活性型ビタミンD(1,25(OH)₂D₃) VDR(Vitamin D Receptor) カルシウム吸収、骨基質タンパク質の発現促進
4 甲状腺ホルモン(T3) TRα, TRβ(Thyroid Hormone Receptors) 骨代謝促進
5 成長ホルモン/IGF-1 IGF-1受容体(IGF-1R) 骨芽細胞増殖・分化促進
6 グルココルチコイド GR(Glucocorticoid Receptor) 骨芽細胞増殖抑制、骨形成低下

 

【骨芽細胞/骨細胞比較表】 参考:「ChatGPT」

 

 
項 目
骨芽細胞
骨細胞
1 形 状
立方形〜多角形
扁平〜楕円形、細長い突起あり
2 大きさ
約20〜30 μm
約10〜20 μm(骨芽細胞より小さい)
3 位 置 骨表面(骨膜・骨内膜) 骨基質内に埋まる(骨膜から内部まで散在)
4 機 能 骨基質(オステオイド)の分泌、骨形成 骨リモデリングの感知・制御、栄養や代謝物の輸送
5 分 化 間葉系幹細胞 → 骨芽細胞 骨芽細胞 → 骨細胞
6 エストロゲン受容体 あり(ERα, ERβ) あり(ERα, ERβ)
7 細胞突起 ほとんどなし canaliculiとして他の骨細胞・骨表面細胞と接続、分岐あり
8 骨形成への関与 主導 骨基質維持・リモデリングの調節
9 移動性 骨表面を移動して並ぶことがある 基本的に固定、骨基質内で移動しない

 

【他の参考になるサイト】

イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅰ

イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅱ

イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅲ

イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅳ

イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅴ