ウイルスや細菌など外敵から体を守ってくれる白血球の3種類ある顆粒球の一つ。
【もっと詳しく】
<概 要>
好中球、好酸球、好塩基球と3種類ある顆粒球の一つで、顆粒球中の90~95%を占めている。また、白血球全体の50%以上を占める。成長すると核が分かれる(分葉)するので、多核白血球と呼ばれることもある。
<寿命>
末梢血液と組織内の好中球の寿命は異なる。
末梢血液内:1日以内で、おおむね10~12時間
組 織 内:数日
<形状・大きさ>
無色半透明で、ほぼ球状の時もあれば、偽足を出して盛んにアメーバ様運動をするときは球状の形を崩すので、形状は定まっていない。
大きさは、白血球の中ではリンパ球より大きく、単球、マクロファージより小さい。直径は12~15?。
<存在場所および数量>
好中球は、末梢血液や骨髄など全身に広く分布していて、私たちの身体の中には数千億個存在しているといわれている。そして、1日に1000億個が新たに産生されている。
1 |
末梢血
・循環プール
・辺縁プール |
好中球が存在している場所を「プール」などと言う言葉を使って表す。末梢血であれば「循環プール」と「辺縁プール」の2つがあり、それぞれのプールでの好中球は互いに移動しあっている。また、循環プールと辺縁プールの好中球の数はほぼ同じになっている。
循環プール:好中球が血流に乗って全身を循環していて、体に侵入した異物に対して最初に攻撃をする。血液検査で測定可
辺縁プール:好中球が血管壁に沿ってゆっくりと移動していて、循環プールの好中球が少なくなると活発に活動をする。
好中球は、末梢血1μ?あたり2000~7500程度存在している。体重50㎏の成人で、およそ80~300億個の好中球が末梢血内に存在していることになる。
※数は資料によってばらつきがある。また、1μ?は1mlの1/1000
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2 |
骨髄プール |
骨髄の中には、末梢血中の約10~30倍もの好中球が存在し、異物が侵入したときに速やかに末梢血に送りだすことができるように備えている。 |
3 |
その他 |
脾臓、肝臓などにも辺縁プールとして多数存在している。 |
<分 化>
以下の分化の過程の模式図はウィキペディアを参考に作成したもの。
<顆粒の種類と内容物>
以下の表はウィキペディアを参考に作成したもの。
<働 き>
① 体内に細菌類などが侵入
② まずマクロファージや肥満細胞が反応し、サイトカインを放出
③ 組織が炎症を起こす。
④ 以下が好中球遊走因子の放出
・クロファージや肥満細胞が放出するサイトカイン ・炎症を起こした組織 ・細菌自身 ・補体
代表的な好中球遊走因子として以下のようなものがある。
1 |
IL-8 |
|
2 |
NAP-2 |
neutrophil activating protein 好中球活性化タンパク質 |
3 |
MIP-2 |
=CHD4?(chromodomain helicase DNA binding protein) |
4 |
ロイコトリエンB4 |
以下、ウィキペディアからの引用文
「ロイコトリエン (leukotriene) はエイコサノイドの一種であり、5-リポキシゲナーゼによってアラキドン酸から生成されるオートクリン/パラクリン脂質メディエーターである」
「ロイコトリエンB4などが好中球に走化性を与えることで、炎症組織に必要な細胞を招集する。また、ロイコトリエンは血管収縮(特に小静脈血管の収縮)と気管支収縮に関して強力な効果があり、さらに血管透過性を増加させる。」 |
5 |
FMLP |
formyl methioryl leucyl phenylalanine 菌体成分に含まれる細胞遊走性ペプチド |
⑤ 好中球遊走因子をレセプターで感じ取った好中球が遊走を活性化
⑥ 感染巣に集結
多くの場合、感染巣は血管外になる。好中球は血管上皮に粘着し偽足を伸ばして血管上皮細胞の間をすり
抜け、さらに酵素の力も借りて基底膜を破り血管外に出る。
⑦ 炎症部分に遊走し、細菌へ接触
⇒(走査)電子顕微鏡の写真が掲載されているサイトⅠ(中央お黄色いもの)
⇒(走査)電子顕微鏡の写真が掲載されているサイトⅡ(下部のもの)
⇒(走査)電子顕微鏡の写真が掲載されているサイトⅢ
⇒(走査)電子顕微鏡の写真が掲載されているサイトⅣ
⇒(走査)電子顕微鏡の写真が掲載されているサイトⅤ
⇒(走査)電子顕微鏡の写真が掲載されているサイトⅥ
⇒(走査)電子顕微鏡の写真が掲載されているサイトⅦ
⇒(走査)電子顕微鏡の写真が掲載されているサイトⅧ
【参考にしたサイト】
・ウィキペディア