肥満細胞 ( ひまんさいぼう、英:mast cell / mastocyte

 

 アレルギー症状を引き起こす細胞で、いわゆる「太りすぎ」の肥満とは全く関係ない。

 

【もっと詳しく】

 造血幹細胞から分化した細胞で、器官や腸管などの粘膜組織や皮膚などの結合組織など、全身に広く分布し、その数は約1兆個とも言われている。マスト細胞とも。

 その形態が、細胞質基質に顆粒がびっしりと詰まっていてあたかも「太っている」ように見えることから肥満細胞と名付けられているが、いわゆる「肥満」とは全く関係がない。

 

<働 き>

 肥満細胞というと「=アレルギー症状」のイメージが強いと思うが、あくまでもアレルギー症状は肥満細胞の持つ働きの一部に過ぎない。

アレルギー反応の誘発

 肥満細胞の細胞表面にはたくさんのIgE受容体が存在している。これらのIgE受容体がIgE抗原(アレルゲン)と結合すると、細胞内の酵素が活性化されて顆粒の崩壊が起こり、顆粒内のヒスタミンやサイトカインなどの化学伝達物質が放出されアレルギー反応を引き起こす。

粘膜や皮膚の感染防御

 

<分泌する化学物質>

1
ヒスタミン

histamine

血圧降下、血管透過性亢進、平滑筋収縮、血管拡張、腺分泌促進などの薬理作用がある。好塩基球などもヒスタミンを産生している。

2
ヘパリン

heparin

血液凝固を阻止する働きがある。

3

prostaglandin

血管拡張作用、赤血球柔軟作用

4

cytokine  

主なものとしてIL-3~6、IL-6/10/13、I-309、GM-CSF、TNF-α、CXCL-8

 

<種 類>

 分布する組織により顆粒内のタンパク質の構成に違いがある。

 
存在場所
顆粒タンパク質の構成
1
皮下や粘膜下の結合組織
トリプターゼの他にキマーゼを大量に保有
2
肺や粘膜内
キマーゼの含有量が著しく少ない

 

 

 

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【参考にしたサイト】

ウィキペディア

・「基礎編 Ⅲ 免疫担当細胞 マスト細胞

・「慢性膀胱炎、間質性膀胱炎、膀胱頚部硬化症