【概 要】



以下は腸管の神経支配を簡単に表した表となる。
【働 き】

・腸管の運動 : 蠕動運動 (peristalsis)、分節運動 (segmentation)、緊張性収縮、反射性弛緩・収縮
・粘膜機能 : 消化・吸収・防御の最適化の維持
以下、両叢の働きの違いが分かるように簡単な一覧にしてみた。
| |
項 目 |
筋層間神経叢 |
粘膜下神経叢 |
| 1 |
主な位置 |
内輪筋層と外縦筋層の間 |
粘膜下層 |
| 2 |
主な役割 |
運動制御(動かす) |
環境制御(分泌・吸収・血流) |
| 3 |
代表的機能 |
蠕動運動の生成 |
|
| 4 |
収縮の強さとタイミング制御 |
腸液・粘液分泌の調節 |
|
| 5 |
支配対象 |
平滑筋(内輪筋・外縦筋) |
上皮細胞 |
| 6 |
運動との関係 |
腸内容を送るための運動 |
吸収・分泌を最適化する微調整運動 |
| 7 |
感覚入力 |
筋伸展 |
|
| 8 |
内圧変化 |
化学刺激 |
|
| 9 |
主な神経型 |
興奮性運動ニューロン |
|
| 10 |
介在ニューロン |
分泌運動ニューロン |
|
| 11 |
外部自律神経の影響 |
受けるが独立性が高い |
受けるが局所反射が主体 |
【構成する神経線維】
両叢を構成する神経線維を考えたとき

以下、両神経叢を構成する神経線維の種類を簡単な一覧にしてみた。
| |
神経線維の種類 |
筋層間神経叢 |
粘膜下神経叢 |
1 |
感覚神経線維 |
伸展・内圧を感知 |
化学刺激・浸透圧を感知 |
2 |
介在神経線維 |
収縮・弛緩の順序を連結 |
局所反射を連結 |
3 |
運動神経線維 |
平滑筋を収縮・弛緩 |
粘膜筋板を調節 |
4 |
分泌運動神経線維 |
ほぼなし |
粘液・腸液分泌を制御 |
5 |
血管運動神経線維 |
少数 |
粘膜血流を制御 |
6 |
外部自律神経線維 |
調節的に混在 |
調節的に混在 |
【外部からの神経入力】
■外部入力一覧(経路中心)■
腸管壁内神経系は高度に自律した腸管独自の神経系で、中枢から完全に切り離されてもある程度機能することができる。また、外部神経からの枝の入力も受け、腸管内の筋の運動や分泌活動の調節に関与して初めて腸管が本来持つ機能が正しく作用する。

以下、外部神経系として主なものを簡単な一覧にしてみた。
| |
神経叢名 |
主な位置 |
集約される神経 |
支配・分配先 |
1 |
|
胃周囲(小彎・大彎、腹腔動脈周囲) |
・迷走神経(副交感)
・交感神経(腹腔神経節由来)
・求心性線維 |
胃の ENS(筋層間・粘膜下神経叢) |
2 |
|
上腸間膜動脈周囲 |
・交感神経(上腸間膜神経節)
・副交感神経(迷走神経)
・求心性線維 |
小腸・盲腸・上行結腸・横行結腸近位部の ENS |
3 |
|
下腸間膜動脈周囲 |
・交感神経(下腸間膜神経節)
・副交感神経(骨盤内臓神経由来線維)
・求心性線維 |
下行結腸・S状結腸・直腸上部の ENS |
4 |
下腹神経叢(上下腹神経叢) |
大動脈分岐部〜骨盤内 |
・交感神経(腰内臓神経)
・副交感神経(骨盤内臓神経)
・求心性線維 |
直腸・肛門管周囲の ENS |
■腸管壁内神経系への関与■
| |
分類 |
挙動 |
主な神経の種類 |
主な特徴・役割 |
1 |
通過線維 |
ENS 内を通過するだけ |
内臓求心性線維(感覚)
一部の交感・副交感線維 |
・ENSを「通路」として利用
・中枢へ情報伝達が主目的
・ENSニューロンとは明確なシナプスを作らないことが多い |
2 |
シナプス形成線維 |
ENSニューロンとシナプス |
副交感神経性線維(迷走神経・骨盤内臓神経)
一部の交感神経性線維 |
・ENS神経節細胞に入力
・運動・分泌活動を促進/抑制
・ただし「命令」ではなく調節 |
3 |
調節性終末(非典型シナプス) |
明瞭なシナプスを作らず作用 |
交感神経性線維が多い |
・varicosity から神経伝達物質放出
・volume transmission
・ENS回路全体の興奮性を変える |
4 |
効果器直行線維 |
ENSを介さず標的へ |
交感神経性線維 |
・血管平滑筋・括約筋などへ直接作用
・ENSは関与しないか最小限 |
5 |
混合型(通過+作用) |
一部で作用し一部通過 |
副交感・交感神経性線維 |
・走行途中で枝分かれ
・ENS調節+他層(粘膜下叢など)への投射 |

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