【 概 要 】
【 構 造 】
漿膜は扁平な1層の細胞よりなる層とその下層を作る結合組織からなる。
「日本人体解剖学 (下巻) 」では以下のような解説が見られる。
「漿膜下組織は疎性結合組織で漿膜と種々の臓器あるいは腹壁・骨盤壁と結合し、脂肪・弾性繊維を含み、その厚さは部位によって変わる。大綱の漿膜下組織には、いわゆる乳斑milky spotsが見られる。」
また、以下が「Rauber-Kopsch解剖学」の解説文となる。
「漿膜の表面は上皮で被われている.その下敷きをなして線維性結合組織があって,ここでは線維束が平面的にひろがり,たがいに交わっている.それに弾性線維が加わっている.上皮と線維性結合組織のあいだには薄くてガラスのように明るい基礎膜がある.上皮は薄くて扁平であり,内皮細胞(第1巻の 図53参照)と外観的によく似た細胞からできている.それが1層をなしてならび,隣りあう細胞のかどの間に小さいすきま(小口Stomata)がそこそこに認められる.漿膜下組織Tela subserosaの発達は場斯によりまちまちで,これが漿膜とその下敷きをなす部分とを結びつけているが,その間を動かすことのできる程度が場所により違っている.また所によると漿膜に豊富な筋線維がある.血管は少ないが,毛細管の網が上皮層に接するところまで達している.リンパ管は漿膜下組織にそのかなり太い幹がみられ,リンパ管の密な網も存在する.神経線維は少ない.」
⇒ 胃壁の漿膜の構造が分かるイラストを掲載しているサイト
【 区 分 】
漿膜は、存在する部位により以下のように2つに区分することができるが両者は連続している。
1 |
臓側葉 |
(visceral layer) : 内臓表面を直接覆うもの |
2 |
壁側葉 |
(parietal layer) : 腔壁を覆うもの |
【 関連語句 】
「日本人体解剖学 (下巻) 」には以下のような解説が見られる。
「臓器の全周ではなく一部(上行結腸、下行結腸など)または全周(食道など)が漿膜を持たず判然とした境界がなく、結合組織のみで包まれる部位を外膜という。 」
漿膜が二重になっている部分のこと。詳しくは間膜の解説ページを参照のこと。
「Rauber-Kopsch解剖学」には以下のような解説が見られる。
「漿膜のつくるひだや高まりは漿膜ヒダPlica serosaとよばれる.その一部のものは特別な名前をもっている(網Gekröse, Netz). 」
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