【概 要】



■動く線毛■
以下、動く線毛の存在部位とその働きを一覧にしてみた。
| |
器 官 |
線毛の働き |
1 |
気道上皮(気管、気管支) |
粘液や異物を口方向へ運ぶ(=粘液線毛輸送) |
2 |
卵管上皮(輸卵管) |
卵子を子宮へ移動させる |
3 |
脳室上皮(上衣細胞) |
脳脊髄液(CSF)の循環を助ける |
4 |
精巣上体の一部 |
精子の移動を助ける(ただし不動線毛様もあり) |
・動性線毛も不動性線毛も内部構造が違い、外見上はほとんど区別ができない。
|
種 類 |
微小管 |
運動性 |
主な場所 |
1 |
動く線毛 |
9+2構造 |
あり |
気道、卵管など |
2 |
不動線毛 |
9+0構造 |
なし |
多くの細胞に1本ずつ存在し、感覚受容などに関与 |
【線毛を全く有しない細胞の例】 参考:「ChatGPT」
1. 赤血球(成熟した哺乳類赤血球)
・核も細胞小器官も失っており、線毛も持たない。
・酸素輸送に特化しているため、感覚や運動のための突起は不要。
2. 血小板(platelets)
・核を持たず、血管内で止血作用に特化した細胞断片。
・線毛は存在しない。
3. 細胞(成熟した骨格筋や心筋)
・多核で収縮に特化しており、一次線毛や運動性線毛はほとんどない。
・発生初期には一次線毛が一時的に存在する場合がありますが、成熟後は消失。
4. 成熟した角化細胞(表皮の最外層)
・表皮の角質層細胞(角化細胞)は核や小器官を失っており、線毛もない。
・バリア機能に特化。
要するに、核や細胞小器官を持たない細胞や、特定機能(収縮や酸素運搬)に特化した細胞は線毛を持たない傾向があります。
【微絨毛/絨毛/線毛比較表】
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構 造 |
大きさ・形 |
機 能 |
代表例 |
1 |
微絨毛 |
微細な突起(電子顕微鏡レベル)
径:0.08~0.1㎛、長さ:約1~2㎛ |
吸収・分泌 |
小腸、腎臓 |
2 |
絨 毛 |
粘膜の大きな指状突起(肉眼・光顕レベル)
径:0.1~0.3㎜、長さ:0.5~1.5㎜ |
吸収 |
小腸 |
3 |
線 毛 |
可動性の突起
径:0.2㎛、長さ:約5~10㎛ |
粘液や物質の移動 |
気道上皮、卵管上皮 |
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