近位骨端(大腿骨) ( きんいこつたん、英: proximal epiphysis

 

 近位骨端は大腿骨を3部に分けたうちの一つで、遠位ほどは肥大は著しくないが、上内側方に突出した大腿骨頚とその先端にある半球状の大腿骨頭が特徴的となる。上端とも。

 

 以下は「日本人体解剖学 (上巻) 」の解説文となる。

近位骨端(または上端):軟骨に覆われ滑沢な関節面を持つ大腿骨頭が上内側方に向かって突出し、骨頭の中央からやや下方に偏した部に大腿骨頭窩(大腿骨頭靭帯がつく)がある。大腿骨頭につづく細く狭い部は大腿骨頚で、大腿骨頚は鈍角(120~130°)をなして大腿骨体に連なる。大腿骨頚と大腿骨体の移行部には大転子小転子という大小2個の隆起がある。大転子の尖端の内側面には凹窩があり、転子窩(閉鎖筋、双子筋の停止部)という。大転子の外側面には中、小殿筋、梨状筋が停止する。小転子は大腰筋、腸骨筋が停止する。大転子と小転子は前面では転子間線(内側広筋の起始)、後面では、転子間稜(大腿方形筋の停止)と呼ばれる隆起によって結合される。また、同じく後面で、大転子の下方にある粗面隆起を殿筋粗面(大殿筋の停止)といい、下方の大腿骨体に見られる粗線の外側唇に続く。っまた、小転子の下で、粗線の内側唇と外側唇との中間をほぼ鉛直に走る隆起線を恥骨筋線といい、恥骨筋が停止する。 」

 

 以下が近位骨端の構成要素となる。

1
lesser trochanter
7
pectineal line
2
third trochanter
8
gluteal tuberosity
3
neck of femur
9
trochanteric fossa
4
head of femur
10
intertrochanteric line
5
11
intertrochanteric crest
6
greater trochanter
12
quadrate tubercle ?

 

 以下が近位骨端に付着する筋肉となる。※大腿骨体との重複あり。

1
2
1
6
2
7
3
8
4
9
5
10

 

以下が大腿骨に付着する靭帯となる。

1

 大腿骨(大転子、転子間線)⇔ 腸骨(下前腸骨棘、寛骨臼上縁)

2
恥骨大腿靭帯
 大腿骨(小転子)⇔ 恥骨(腸恥隆起、恥骨上枝)
3
 大腿骨(大腿骨頚、転子窩)⇔ 坐骨(寛骨臼縁)
4
 大腿骨(大腿骨頭窩)⇔ 寛骨(寛骨臼窩)

 

   

 

【参考になるサイト】

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