血管層(虹彩)( けっかんそう、英:vascular layer )

 

  

「結合組織」に関して「Rauber-Kopsh解剖学」では以下のような解説文が見られる

「結合組織線維(膠原線維とごく少量の弾性線維)は主として血管(動脈・静脈)と神経のまわりで,強い外膜層をなして集まっている.輪走する線維はまれで,たいていの線維が血管の走向に平行している.」

 

 血管:大・小虹彩動脈輪とそれらを繋ぐ小動脈

 神経:瞳孔括約筋動眼神経の副交感神経が支配

     瞳孔散大筋 ⇒長・短毛様体神経から来る交換性神経が支配

 

 

 
眼窩前部(断面)
 虹彩(横断面)
虹彩の血管  

 

 「日本人体解剖学」では以下のように解説している。

「(血管層は)虹彩の大部分をつくり、色素細胞を含む疎性結合組織 からでき、血管および神経に富む。血管層の後部には、2種の平滑筋がある。その1つを瞳孔括約筋 (sphincter pupillae) といい、瞳孔縁を輪状に走り、その収縮により瞳孔を縮小させる(副交感神経支配)他を瞳孔散大筋 (dilatator pupillae)といい、色素上皮層の前側に沿って模様に広がり、毛様体縁から瞳孔縁に向かって放線状に走り、その収縮によって瞳孔を開大させる(交感神経支配)瞳孔括約筋と瞳孔散大筋は外胚葉に由来するといわれている。とくに、瞳孔散大筋の細胞は虹彩色素上皮層に属し、上皮性の特徴を残して色素顆粒を含む。
血管層の後面には後境界板、さらに眼球内膜に属している虹彩色素上皮層、網膜虹彩部がある。 」