破裂孔( はれつこう、英:foramen lacerum )

・「蝶形骨体および側頭骨錐体部との間にある不規則な裂孔 」(日本人体解剖学)

上記の解説だが2通りの解釈があるように思われる。

 1. 破裂孔自体は軟骨で閉ざされ貫通するものがないため ⇒ 破裂孔を通る神経・血管はない

 2. 破裂孔の前縁の一部、蝶形骨との間に隙間がありそこを神経・血管が通っているため

   ⇒ (厳密ではないが)破裂孔を通る神経・血管が存在する

 

「破裂孔の軟骨を通過する」とする資料

・「(大錐体神経は)破裂孔の軟骨を貫いて頭蓋底に至り…」(日本人体解剖学)

・「(大錐体神経は)破裂孔の軟骨を貫いて頭蓋底外面に出て…」(船戸和也のHP)

 

・「破裂孔は生体では軟骨で閉ざされている。破裂孔はその前縁の一部が蝶形骨で形成され、

 その部位より内頚静脈は海綿静脈洞に入る。」(船戸和也のHP)

 

破裂孔周辺(色分け)
破裂孔周辺(斜め下方より)
頭蓋底の孔
頭蓋底
     
翼突管神経の走行
     

 

 ■ 通過する脈管および神経 ■

 

日本人体解剖学 (上巻) 」の「破裂孔」の解説文には通過する脈管および神経の記述は見られない。また、「 プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論 」では、通過するものを 大錐体神経 および 深錐体神経 としている。

 

 以下は「Wikipedia」に記されている破裂孔を通過する脈管および神経となる。

1
神 経
2
動 脈

翼突管動脈後硬膜動脈上行咽頭動脈の枝)

※後者に関しては他の孔を通過する場合も有

3
静 脈
 (破裂孔)導出静脈

 

 
破裂孔を通過する神経・血管
 

 

 ※上の静脈の「破裂孔導出静脈」に関しては、「 日本人体解剖学 」には以下のような解説文が見られる。

 「 破裂孔を通して、海綿静脈洞と翼突筋静脈叢とを連絡する。 」

 

・以下は「 Wikipedia 」の解説文となる。

「 The foramen lacerum (Latinlacerated piercing) is a triangular hole in the base of skull, located between the sphenoid, the apex of the petrous temporal and the basilar part of the occipital.

■ Structure ■

 The foramen lacerum ( Latinlacerated piercing ) is a triangular hole in the base of skull located between the sphenoid, apex of petrous temporal and basilar part of occipital. It is the juncture of the petroclival, sphenopetrosal, and pterygosphenoidal sutures.
The foramen lacerum is a foramen situated anteromedial to the carotid canal.[1] :776
■ Development ■
The foramen lacerum fills with cartilage after birth.[1] :776

【 語 句 】

sphenoid:蝶形骨 ・apex of the petrous temporal:側頭骨の錐体尖 ・basilar part of the occipital:後頭骨底部 ・juncture:接合、連結 ・sphenopetrosal :蝶形骨錐体の ・carotid canal:頚動脈管の ・cartilage:軟骨(組織)


■ Function ■

 The artery of pterygoid canal, the nerve of pterygoid canal and some venous drainage pass through the foramen lacerum.

 The internal carotid artery passes from the carotid canal in the base of the skull, emerging and coursing superior to foramen lacerum as it exits the carotid canal. The internal carotid artery does not travel through foramen lacerum. The segment of the internal carotid artery that travels above foramen lacerum is called the lacerum segment.[2]

【 語 句 】

artery of pterygoid canal:翼突管動脈 ・nerve of pterygoid canal:翼突管神経 ・greater petrosal nerve:大錐体神経 ・deep petrosal nerve:深錐体神経 ・sympathetic fiber:交感神経線維 ・parasympathetic fiber:副交感神経線維 ・autonomic nervous system:自律神経系 ・mucous membranes:粘膜 ・alivary glands:唾液腺 ・lacrimal glands:涙腺 ・ascending pharyngeal artery:上行咽頭動脈 ・external carotid artery:外頚動脈 ・meningeal branches:硬膜枝 ・emissary veins:導出静脈 ・extracranial:頭蓋外の ・pterygoid plexus:翼突筋静脈叢 ・cavernous sinus:海綿静脈洞 ・internal carotid artery:内頚動脈 

 

【 参考になるサイト 】

イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅰ

イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅱ

イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅲ

イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅳ

イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅴ( 断面の図で破裂孔を通る神経や動脈を描いている )