アイソメトリック・エクササイズ ( 英:isometric exercise )

 

 筋力トレーニングの一種。通常の筋力トレーニングが筋肉を収縮させて鍛える(アイソトニック・エクササイズ)のに対して、このアイソメトリック・エクササイズは筋肉を収縮させずに行うトレーニングで「静的な筋力トレーニング」と呼ばれている。正式には「等尺性(筋)収縮運動」という言葉が使われる。

 

・アイソメトリック・エクササイズの例
合掌するように胸の前に両手の掌を合わせ、力を入れて押し合うと、ダンベルなどを使って関節を曲げたり伸ばしたりしてトレーニングするように筋肉が縮んだり伸びたりしてはいないが、主に力こぶ(上腕ニ頭筋)に力が入り、硬くなって盛り上がっている。
つまり、筋肉に負荷がかかって鍛えられていることになる。これがアイソメトリック・エクササイズとなる。

 

・アイソメトリック・エクササイズの長所、短所
このアイソメトリック・エクササイズであるが、すべての筋力トレーニングがこれで賄えるわけではない。以下にその長所、短所の一例を記す。

 

【長所】

  1. 場所を選ばず、特に用具等も必要としない。
    その気になれば通勤や通学途中の電車のなかでも行うことができる。
  2. 関節への負担が少ない。
    バーベルのように無理に重い負荷をかけることもないので、関節に負担をかけなくても済み、筋肉痛にもなりにくい。


【短所】

  1. 実践向きでない。
    動作が伴わないので、野球やサッカーなどの実際のゲームの時に要求される動きに即したトレーニングができず、実践向きなトレーニング方法とは言えない。
  2. 筋持久力がつかない。
    動作が伴わないので、動作の繰り返しのスタミナが要求される筋持久力をつけることができない。