
始まり:食道の上部(食道の筋層間)、終わり:肛門の直前(肛門括約筋の部分まで)

・副交感神経:以下の2つの神経経由となる。 ⇒ 腸の運動・分泌を増やす方向の指令を出す。
1. 迷走神経:胃・小腸・結腸の一部まで 2. 骨盤内臓神経:S状結腸から直腸まで
・交感神経:以下の神経叢経由となる。⇒ 蠕動や分泌を抑え、血流を減らす指令を出す。
1.腹腔神経叢 2.上腸間膜動脈神経叢 3.下腸間膜動脈神経叢
■「自前の神経回路」の意味■
腸管神経叢(アウエルバッハ・マイスナー叢)には多数の神経細胞体が局在しており、これらが神経節を形成する。
これらの神経節は
・消化管内で刺激を受ける
・消化管内で情報を処理する
・消化管内で運動を指令する
という “局所回路” を形成する。よって腸管神経叢は「
第二の脳」とも呼ばれている。
よって以下のようなことが起こっている。
① 脳・脊髄からの入力がなくても蠕動運動を自律的に起こせる。
② 感覚・介在・運動ニューロンがすべて局所に揃っている。
③ 中枢に完全依存しない。
【部位ごとの発達具合一覧表】 参考:「ChatGPT」
| |
部 位 |
筋層間- |
粘膜下- |
特徴・理由 |
1 |
食 道 |
比較的未発達 |
弱い〜中等度 |
上部は横紋筋支配が多く、ENSの重要度は低め。反射は単純。 |
2 |
胃(胃体・幽門) |
非常に発達 |
良く発達 |
複雑な蠕動運動、混和運動、分泌調節のため神経叢が豊富。 |
3 |
十二指腸 |
よく発達 |
非常によく発達 |
消化酵素・胆汁流入に応じた精密な分泌調整が必要。 |
4 |
空 腸 |
非常に発達 |
発 達 |
強い蠕動運動・輸送機能に対応。 |
5 |
回 腸 |
発達(空腸よりやや弱い) |
発 達 |
蠕動は強いが空腸よりは機能が穏やか。 |
6 |
盲 腸 |
非常に発達 |
発 達 |
発酵・混和運動が多く、局所反射が複雑。 |
7 |
上行結腸 |
よく発達 |
よく発達 |
水分吸収や混和運動のため ENS 活動が強い。 |
8 |
横行結腸 |
よく発達 |
よく発達 |
混和と蠕動をバランスよく行う必要がある。 |
9 |
下行結腸 |
中等度 |
中等度 |
水分吸収が主だが運動は比較的単純。 |
10 |
S状結腸 |
よく発達 |
発 達 |
糞便の貯留や移送に複雑な制御が必要。 |
11 |
直 腸 |
非常に発達 |
発 達 |
排便反射(局所反射)のため ENS が高度に発達。 |
【「ChatGPT」に聞いてみた】
Q.「漿膜下神経叢は腸管神経叢にはいらないのか?」
A.「広い意味では「腸管の壁に存在する神経叢」なので、腸管神経叢の一部と呼んでも理屈上は間違いではありません。
ただし一般的に医学書や解剖学の説明で「腸管神経叢」と呼ぶときは、自律的に腸管運動や分泌を制御する主要ネットワーク(アウエルバッハ神経叢・マイスナー神経叢・粘膜神経叢)を指すのが慣例です。
漿膜下神経叢は、外から入ってくる交感・副交感神経線維が合流・分布する場で、主に血管支配や漿膜感覚に関与という性質が強いため、ENSの「中枢的ネットワーク」には数えられないことが多いのです。」
【参考となるサイト】
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