仙 骨 ( せんこつ、英:sacrum )
・「日本人体解剖学 (上巻) 」には以下のような解説が見られる。 「仙骨は、5個の仙椎とこれに付属する肋骨片と靭帯が癒合したもので脊柱最大の骨に属し、骨盤の後壁となる。」
・上部は広く下部は狭い楔形を呈し、厚みは下方ほど薄く、前方に向かって湾曲している。
仙骨は前面と後面の2面と、外側方の部分を外側部として区分している。
※「日本人体解剖学 (上巻) 」や「船戸和弥のホームページ」では上記のような区分になる。おそらく、仙骨底の左右の外側部は前面にも後面にも含まれないと思うのだが、かといって「上面」という区分は見当たらないし、外側部に対して「内側部」であったり「仙骨体」という名称も用いられていない。 ⇒ イラスト解説 ただし、「Wikipedia」には以下のような解説が見られる。 「The sacrum has a base, an apex, and three surfaces – a pelvic, dorsal and a lateral surface. 」
はじめ分離していた5個の仙椎は 成人すると癒合して1つの仙骨となる。
「女性の仙骨は男性のにくらべて,長さのわりに幅が広い.同時にまた男性のよりも短くて弯曲が少い.つまり男性の仙骨は女性のそれより長くて細く,弯曲が強いわけである.また女性の仙骨は正三角形に近い形をしている.」 「日本人体解剖学 (上巻) 」 「仙骨と尾骨との結合は可動性で、とくに女に著明である。」
「船戸和弥のホームページ」には以下のような解説が見られる。 「個体による仙骨の形の差や組織のちがいが非常にしばしば見られる.5つの脊椎が集まって仙骨をなすのは約半数例で,4つのことは稀であり,それよりは6つのことが多い(長谷部言人によれば日本人で仙骨が4個のこと1.1%,6個のこと28.7%である.).7つの脊椎からできている仙骨をFretsが写生している(Morph. Jahrb., 48. Bd.,1914).左右非対称も現われることがあり,それは第1仙肋骨が1方のみ欠けているためのこともあれば,第5腰椎に通常の肋骨痕跡のかわりに,よく発達した仙肋骨が1側だけに生じるためのこともある.このような場合には両側の関節面の高さが異なって,そのために骨盤の形まで影響をうける.」
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あ行 |
さ行
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か行 |
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た行 |
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さ行 |
以下に仙骨に付着する靭帯を挙げたが、過不足が生じる可能性もある。
仙腸関節 (5) |
anterior sacroiliac l. | 仙骨と腸骨の前面を結ぶ | |
interosseous sacroiliac l. | 仙骨と腸骨の粗面間を結ぶ | ||
posterior sacroiliac l. | 外側仙骨稜と下/上後腸骨棘を結ぶ | ||
sacrotuberous ligament | 坐骨結節と尾骨、仙骨、下後腸骨棘を結ぶ | ||
sacrospinous ligament | 坐骨棘と仙骨・尾骨の外側縁を結ぶ | ||
その他 (3) |
anterior longitudinal l. | 後頭骨から仙骨までの脊柱の前面を縦走する | |
interspinous ligament | 椎骨の棘突起間を結んでいる | ||
supraspinous ligament | 第7頚椎から仙骨までの棘突起の先端を結ぶ |
仙骨は腸骨、第5腰椎、そして尾骨の3つの骨と接合している。
1 |
sacroiliac joint |
仙骨(耳状面) ⇔ 腸骨(耳状面) |
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2 |
(腰仙関節) |
lumbosacral joint |
仙骨(仙骨底)⇔ 第5腰椎 |
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3 |
(仙尾関節) |
sacrococcygeal joint |
仙骨(仙骨尖)⇔ 尾骨 |
・SKELETAL SYSTEM ANATOMY: Bones of the vertebral column- Sacrum(2:19)