大腿骨体 ( だいたいこつたい、英:body of femur

 

 大腿骨体は大腿骨を3部に分けたうちの一つで、骨幹となる管状の部分である。多くの筋が付着している。

 

日本人体解剖学 (上巻) 」では特に言及していないが、「船戸和弥のホームページ」では「大腿骨体の3面及び3縁」について解説が見られる、以下は「船戸和弥のホームページ」の解説を中心にした説明文となる。

「円柱状の大腿骨体は中央部で細い上部で太く、下部では左右に幅が広くなる。大腿骨の長軸は立位で約10度脛骨の垂直線に対して外側へ傾いている。大腿骨体の中央1/3では3縁・3面がある。内側縁と外側縁は丸味をおびている。各3面とも平滑で、前面は内側縁と外側縁との間にあって前方へ凸面をなす。
外側面は外側縁と後縁との間にあり、外側よりむしろ後方に面している。内側面は内側縁と後縁との間にあり内方やや後方にむいている。後縁の粗で幅広い線状隆起が粗線である。粗線の内および外側で稜状に隆起した部分がそれぞれ内側唇と外側唇で、栄養孔がこの両者の間で認められる。

 

中央1/3の断面が分かるイラストを掲載しているサイト-Ⅰ

中央1/3の断面が分かるイラストを掲載しているサイト-Ⅱ

中央1/3の断面が分かるイラストを掲載しているサイト-Ⅲ

中央1/3の断面が分かるイラストを掲載しているサイト-Ⅳ


大腿骨体の上1/3では粗線が3本の線状隆起として拡散し、逆三角形の粗線である後面を形成する。下方で内側唇に、上方で転子間線の下端につづく内側の細い線状隆起が渦状線である。内側唇から小転子の基部へいたる中間位の線状隆起が恥骨筋線で、外側唇から上外方大転子の基部へ走る幅がある粗な線状隆起が臀筋粗面である。臀筋粗面は近位部で隆起し第三転子をつくることがある。
大腿骨体の下1/3では内側部が前後に扁平化し、下端が広い三角柱状を呈する。内側唇は内下方の内側顆の後上方に、外側唇は外下方外側顆の後上方にいたる。前者が内側上顆線、後者が外側上顆線である。これらに境され浅く陥凹した三角形の平滑な面が膝蓋面である。内側上顆線の上方は大腿動脈が斜走するため不明瞭となっている。 」

 

 以下が大腿骨体に付着する筋肉となる。※近位骨端との重複あり。

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 以下が大腿骨体に見られるものとなる。

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lateral lip
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linea aspera
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patellar surface
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medial lip