細胞外液( さいぼうがいえき、英:extracellular fluid

 

概 要
種 類
「ChatGPT」に聞いてみた
 Q.「ほぼ濃度が0.9%の食塩水(生理食塩水)となっている。~ 太古の海水の塩分濃度と同じである。 」という解説は正しいか?
無機塩類

 

 

【概 要】

年齢による細胞内液・細胞外液の比率の変化

 
年齢
細胞内液
細胞外液
コメント
1 新生児 少なめ(相対的に) 多め(相対的に) 新生児は体の表面積が大きく、細胞外液が多くなる傾向。
2 成人 標準 標準 体重の約60%が水分、ICFとECFはおおむね2:1
3 高齢者 減少 比率は相対的に増加 細胞内液が減る理由は筋肉量減少など。筋肉は水分を多く含むので、筋肉減少=ICF減少。

 

【種 類】

 細胞外液は血漿リンパ(液)組織液、および体腔液よりなる。

  

 

【ChatGPTに聞いてみた】

このページは2025年11月更新している。その時に以前の解説をChatGPTに聞いてみた。

Q:「細胞外液は細胞が生きるための環境となっている。そのため内部環境と呼ばれることもある。ほぼ濃度が0.9%の食塩水(生理食塩水)となっている。これは羊水の塩分濃度と同じで、生命が海から陸上に進出したときの太古の海水の塩分濃度と同じである。 」という解説は正しいか?」

 A.「結論から言うと、

●「細胞外液の塩分濃度=0.9%」は“近いが厳密には正確ではない” ●血漿も「だいたい0.9%相当」だが、同様に厳密には違う

というのが医学的に正しい説明です。

■ なぜ「0.9%」とよく言われるのか? 0.9%食塩水(生理食塩水)は
“細胞外液とほぼ等張で、赤血球が壊れない”
ように設定された濃度で、臨床上もっともよく使われます。 そのため教科書的には、
「細胞外液の塩分濃度の目安として0.9%と近い」
という説明が簡略的に使われています。

■ しかし、実際の細胞外液の NaCl 濃度は 0.9%とは一致しない ▷ 細胞外液の主成分(概算)

Na⁺: 約135–145 mEq/L

Cl⁻: 約98–106 mEq/L

これら以外にも HCO₃⁻ や K⁺ などが含まれる

NaCl として単純に「0.9%」とは計算できない濃度になっています。 ▷ 生理食塩水(0.9% NaCl)の浸透圧

約 308 mOsm/L

▷ 実際の血漿・細胞外液の浸透圧

約 285–295 mOsm/L

→ 生理食塩水の方が やや高張(少し濃い)です。 つまり、
0.9%=細胞外液そのものではないが、大きくは外れない“近似値”として使われる
という位置づけです。 ■ 血液(血漿)の塩分濃度は? 血液中の NaCl を「質量パーセント」で表す習慣はありませんが、浸透圧から換算すると:

血漿は NaCl 換算で約0.85%前後に相当

しかしこれは「NaCl だけで浸透圧を説明できない」ため実際の濃度とは違う

血漿浸透圧は電解質と非電解質(ブドウ糖、尿素、タンパク質など)で構成されるため、
“塩分濃度”という表現自体が本来の生理学では使われない点も重要です。 」

 

【無機塩類表】

細胞内液と細胞外液の無機塩類比較表

 

    イオン 細胞内液 細胞外液 コメント
1 陽イオン

Na⁺

(ナトリウム)

約 10–15 mEq/L 約 140 mEq/L 細胞外液で高濃度、浸透圧維持の主要因
2

K⁺

(カリウム)

約 140 mEq/L 約 4 mEq/L 細胞内で高濃度、膜電位維持に重要
3

Ca²⁺

(カルシウム)

約 0.0001 mEq/L (非常に低い) 約 2.5 mEq/L 細胞外で高濃度、神経・筋収縮に関与
4

Mg²⁺

(マグネシウム)

約 20–30 mEq/L 約 1–2 mEq/L 細胞内で多く、酵素活性の補助
5 陰イオン Cl⁻(塩化物) 約 4 mEq/L 約 100 mEq/L 細胞外液で主要陰イオン
6 HCO₃⁻(重炭酸) 約 10 mEq/L 約 24 mEq/L 酸塩基平衡に重要
7 PO₄³⁻(リン酸) 約 75 mEq/L 約 1–2 mEq/L 細胞内で高濃度、ATPやDNAの構成要素
8 SO₄²⁻(硫酸) 約 1 mEq/L 約 1 mEq/L 細胞内外とも低濃度

単位:mEq/L(milliequivalents per liter)1 mEq/L は、1Lの溶液中に 1㎜当量のイオンがあることを意味