ムチン( むちん、英:mucin )

 
概 要
・種 類
ムチンを分泌する主な細胞
ムチンが分泌される主な場所
ChatGPTに聞いてみた
 Q. ムチンの80~90%は糖なのにタンパク質なのか?
 Q. ムチンは分子量的にはタンパク質よりも糖の方が多いのか?

 

 

【概 要】

・粘液は以下のように細胞から分泌されたムチンに水分(大部分を占める)とその他の要素が加わって形成される。

 

【ムチンの種類】 参考:「ChatGPT」

以下、「ChatGPT」を参考にムチンの種類を一覧にしてみたが、その全てが挙げられているかどうかは不明。

 

名 称

分布・特徴
1

MUC2

腸(特に大腸)で主に発現。腸内細菌と腸壁のバリア形成

2

MUC5AC

胃・気道上皮。ゲル状粘液を形成。

3

MUC5B

唾液腺、気道腺。粘度が高く、持続的なバリアを形成。

4

MUC6

胃の幽門部などで分泌される。酸から粘膜を守る。

5

MUC1, MUC4, MUC16など

細胞膜結合型ムチン。細胞表面の保護・情報伝達に関与

 

【ムチンを分泌する主な細胞】

以下粘液を分泌する細胞を簡単に一覧にしたものになる。参考:ChatGPT

 
細胞名

主な分布

特徴・分泌物
1

 杯細胞

消化管上皮(特に小腸・大腸)、呼吸器上皮

単細胞でムチン(mucin)を分泌。PAS染色陽性。上皮中に散在。

2

 粘液腺細胞

唾液腺(顎下腺の一部、舌下腺など)、気道腺

多細胞腺を構成。白っぽく泡状の細胞質でムチンを分泌。核は基底部に扁平。

3

 子宮頸部腺細胞

子宮頸部粘膜

子宮頸管粘液を分泌。排卵期と黄体期で粘度が変化。

4

 Brunner腺細胞

十二指腸の粘膜下層

アルカリ性粘液を分泌して胃酸から腸壁を保護。

5

 副鼻腔・鼻腔の粘液細胞

鼻腔、上気道粘膜

粘液で吸入空気中の異物・微生物を捕捉。杯細胞と腺が連携。

 

【ムチンが分泌される主な場所】

以下粘液が分泌される場所を簡単に一覧にしたものになる。参考:ChatGPT

 
場 所
主な働き
分泌細胞
1
 呼吸器(鼻腔〜気管・気管支)
 異物・病原体の捕捉と排除(線毛運動で外へ)
 杯細胞、気道腺細胞
2
 消化管(口腔〜肛門)
 潤滑・酸や消化酵素から粘膜保護・機械的刺激の緩和
 杯細胞、表層粘液細胞、腸腺
3
 眼(結膜、涙液)
 乾燥防止・異物排除
 杯細胞(結膜)、涙腺のムチン産生細胞
4
 耳(中耳、耳管)
 粘膜保護・細菌の侵入防止
 杯細胞、腺細胞
5
 生殖器(膣・子宮頸管など)
 潤滑・感染防御・精子移動の調整
 頸管腺細胞、腟上皮細胞
6
 泌尿器(尿道、膀胱)
 尿による刺激・感染からの保護
 杯細胞、尿道腺など
7
 胆道・膵管などの一部導管系
 粘液で内容物の流れを滑らかにし、上皮を守る
 粘液細胞(胆管、膵管)

 

【ChatGPTに聞いてみた】

Q:「ムチンの80~90%は糖なのにタンパク質なのか?

 A:「ムチンは「タンパク質に大量の糖が付いた構造」ですが、それでも「糖タンパク質(glycoprotein)」と分類されます。
   つまり、「糖が主体に見えるほど多くても、あくまでタンパク質が“軸”で、そこに糖鎖が付加された構造」なのです。

  • 骨格(主構造)はタンパク質
  • その表面に多数の糖鎖(O-glycan)が密集して装飾されている
  • 糖鎖が全体重量の80~90%を占めることもあるが、構造のベースはタンパク質
  • 糖鎖は外部環境との相互作用・保護・粘性に関与  」

Q:「ムチンは分子量的にはタンパク質よりも糖の方が多いのか?

 A:「ムチンでは、全体の分子量のうちおよそ80~90%が糖鎖の分子量であり、タンパク質部分は10~20%程度に過ぎない。」

   詳しい説明
  ムチンの構造概略:

  • 骨格:タンパク質の主鎖(core protein)
  • 修飾:その主鎖のセリン(Ser)やスレオニン(Thr)残基に、多数のO型糖鎖が付加される
  • 糖鎖の構成:N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)を起点とする糖鎖に、ガラクトース、フコース、シアル酸などが枝分かれして構成される

  数値的イメージ  

 
項 目

ムチン

一般的な糖タンパク質(例:IgGなど)
1

 分子量(全体)

1,000,000~20,000,000 Da

 (1–20 MDa)

 30,000~150,000 Da

 (30–150 kDa)

2

 糖の割合

 80~90%

 通常は 10%以下

3

 タンパク質の役割

 骨格(糖鎖の土台)

 主構造+機能発現

 

 なぜ糖が多いのか?

  • ムチンは粘液を構成し、粘度・潤滑性・バリア機能を発揮する必要があるため、多数の親水性の糖鎖が必要
  • ムチンのO型糖鎖はブラシ状にびっしりと並び、水分を保持し、粘性ゲルを形成