子宮膣神経叢 ( 交感神経幹からの枝 ) 

( しきゅうちつしんけいそう、英 : uterovaginal plexus )

 

 子宮膣神経叢とは

 神経節 : 子宮膣神経叢は多数の小神経節を含んでいる。

 「(多数の小神経節のうち)子宮頚の外側にあるものをとくにFrankenhauser神経節という。Frankenhauser神経節からは、膣に至る膣神経をはじめ、子宮・卵巣および卵管に分布する神経が出る。」( 日本人体解剖学 (上巻)

 交感神経系の骨盤部の神経叢だが、「 日本人体解剖学 (上巻) 」には以下のような解説文が見られる。

「 骨盤部に見られる( 自律神経叢には以下のものがある。)自律神経叢には交感神経だけでなく、仙骨部からの副交感神経も含む。」

 

 以下は下下腹神経叢から出る神経線維が形成する神経叢を簡単に表した図となる。

  

 

 「 Rauber-Kopsch解剖学 」では以下のように解説している。

「女では子宮腟神経叢が下直腸神経叢の下部の主要な部分をなし,腟の上部および子宮頚の外側にあって,ここから枝がでてこれらの器宮(子宮と腟)の前壁と後壁とに達し,また腟に接して下方に走り,子宮に接して上方にすすむ.SIIIとSIVから, FrankenhäuserによればSIIからも,脊髄神経の線維が豊富にこの神経叢にやってくる.子宮腟神経叢の分枝のなかに腟の中央部から子宮頚の上端までの範囲で多数の小さい神経節が存在する.この神経節は腟円蓋のそばでかなり多く集まっている.これらの子宮頚毒神経節Paracervicale Ganglienが板状に融合している1群をFrankenhäuserはCervikalknoten(子宮頚神経節)という名で記載した.この学者によるとその上縁から子宮に分布する神経の大部分がでている.その比較的少部分が直接に直腸神経叢から出るのである.その同じ領域からは子宮の下部へ分布する線維および膀胱と腟への線維も発している.子宮底では子宮神経叢の小枝が卵巣動脈神経叢の枝と結合している.」

 

 また、以下は「 Wikipedia 」の解説文となる。

「The Uterovaginal plexus is a division of the inferior hypogastric plexus. In older texts, it is referred to as two structures, the "vaginal plexus" and "uterine plexus".

  • The Vaginal Plexus arises from the lower part of the pelvic plexus. It is distributed to the walls of the vagina, to the erectile tissue of the vestibule, and to the clitoris. The nerves composing this plexus contain, like the vesical, a large proportion of spinal nerve fibers.
  •  The Uterine Plexus accompanies the uterine artery to the side of the uterus, between the layers of the broad ligament; it communicates with the ovarian plexus.」

【 語 句 】

inferior hypogastric plexus : 下下腹神経叢  ・ erectile tissue : 勃起組織  ・ vestibule : 前庭  ・ vesical : 膀胱の 

・ uterus : 子宮   

 

【参考になるサイト】

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