骨盤内臓神経( こつばんないぞうしんけい、英 :pelvic splanchnic nerves )

 

概 要
走 行
分 布

 

 

         

 

自律神経系

(全体像・模式図)

 

 

1. 第2~第4仙髄の側柱にある中外側核を起始とする。

2. 前角から灰白質を出て前外側溝付近から脊髄を出る。

3. 前根を進み脊髄神経の前枝に出るとすぐに(灰白交通枝の手前で)骨盤内臓神経として脊髄神経から分岐する。

4. 3本の神経が1本の神経束となって骨盤内臓へ下行していく。

5.骨盤神経叢に入り小さな神経節でシナプス結合をして節後線維となって標的器官に向かう。

 (又は骨盤神経叢でのシナプス結合ではなく標的器官ちかくにある神経節(終末神経節)でシナプス結合をする。)

 骨盤神経叢には交感神経線維も加わるため、神経叢から標的器官に向かう神経線維束は交感神経線維も含む。

 また、「必ず」かどうかは不明だが、標的器官からの求心性神経線維が同じ神経束に入る場合もあるようだ。

以下は標的器官からの求心性神経線維が骨盤内臓神経の神経束と同束を走って脊髄神経の後根にある脊髄神経節を経由して脊髄に向かうケースを表した模式図

1. 下部消化管

 ・下行結腸の遠位部  

 ・S状結腸  

 ・直腸

 → 排便運動の促進(蠕動運動の活性化)に関与します。

2. 泌尿器系

 ・膀胱(特に排尿筋の収縮を促進)

 ・尿道(内尿道括約筋の弛緩を促す)

 → 排尿反射に重要な役割を果たします。

3. 生殖器系

 ・前立腺(男性)

 ・子宮・膣(女性)  

 ・陰茎・陰核の海綿体(勃起を促す)

 → 性機能(特に勃起反応)に関与します。

4. 骨盤内血管

 骨盤内臓器に分布する血管の拡張を促す作用があります。