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解剖学 - 筋系 - 船戸和弥のHP

 

船戸和弥のHP」の「Rauber-Kopsch解剖学」の尺側手根屈筋の解説の引用文

 

この筋の変異はその停止部にみられる.その腱はときどき線維を前腕筋膜あるいは手掌腱膜に送っている.これは豆状骨を越えて走り,まっすぐに第5中手骨に達する.M. flexor carpi ulnaris brevis(短尺側手根屈筋)という筋はごくまれにみられるもので,尺骨から起り,豆状骨に停止する.(アイヌ人にM. flexor carpi ulnaris brevisが10体側のうち2体側に見られた(佐野好:福岡医科大学雑誌, 24巻, 57〜59,1931).)
M. epitrochleoanconaeus(滑車上肘筋)という小さい筋はかなりしばしば現われるもので,ここで述べておくのがよいと思う.これは尺側上顆から起り上腕骨の尺骨神経溝を橋渡しして尺骨に達している.そして尺骨神経に支配されるので,この点からも上腕三頭筋とは縁のうすいものである(Gegenbaur).