恥骨直腸筋 ( ちこつちょくちょうきん、英:puborectalis muscle )
概 要 |
・肛門挙筋を構成する3つの筋のうちの一つだが、「日本人体解剖学 (下巻) 」では索引にすらその名称は見当たらない。 ⇒ 会陰の筋の分類
以下は「船戸和弥のホームページ」の「肛門挙筋」の解説文となる。 「肛門挙筋の丈夫な前部(恥骨尾骨筋)は分界線直下の恥骨の内面から起こり、薄い後部(腸骨尾骨筋)は腸骨から起こる。その起始腱は内閉鎖筋筋膜に接して移行し、閉鎖筋膜から発する腱束を受ける。これらの線維の起始部では腱性の係留物(肛門挙筋腱弓)により強化されている。左右両側で恥骨尾骨筋の内側線維束は挙筋脚を形成している。それらの線維束は背方と尾方、また直腸の前では外側を通り、それぞれ会陰の中心腱へ放散する薄い前直腸線維束や前立腺挙筋として前立腺筋膜(あるいは恥骨腟筋として腟壁)へと分かれる。それより尾側にある肛門挙筋の線維束は恥骨直腸筋として直腸の背側を取り囲み、反対側の線維と共にループを形成する。恥骨尾骨筋の外側束は尾骨と仙骨の背側に広がる。腸骨尾骨筋の筋線維は尾骨と仙骨に付き、また肛門と尾骨の間では強靱な線維束である肛門尾骨靱帯に付いている。」 ・以下は「プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論」の「肛門挙筋」の解説文となる。 「肛門挙筋は3つの部分(恥骨直腸筋、恥骨尾骨筋、腸骨尾骨筋)から構成されている。この筋は骨盤壁の前方から側方にかけて、恥骨結合の中央から坐骨棘までの線上(=肛門挙筋腱弓)から起こる。 恥骨直腸筋は、排便の抑制に働き、外肛門括約筋を助けて肛門を閉じた状態に保つ。この筋は恥骨結節の両側の恥骨上枝から起こり、後方に走り、尿生殖器と消化器の管を過ぎて、直腸の後面の正中(肛門尾骨縫線)でひとつながりとなる。すなわち、アーチ状の門のような形状を示し、2つの脚(挙筋脚)は挙筋門の境界となる。恥骨直腸筋の収縮は、三角巾が引っ張るように直腸の会陰曲を前方に引き付ける。 」 |
||||
起 始 |
・恥骨結節の両側の恥骨上枝「プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論」 |
||||
停 止 |
・直腸の後面の正中(肛門尾骨縫線)でひとつながりとなる。アーチ状の門のような形状を示し、2つの脚(挙筋脚)は挙筋門の境界となる。「プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論」 |
||||
イラスト |
|||||
作 用 |
・恥骨直腸筋は、排便の抑制に働き、外肛門括約筋を助けて肛門を閉じた状態に保つ。 |
||||
神経支配 |
肛門挙筋はS4前枝からの直接の枝および陰部神経(S2~S4)の枝によって支配される。 【グレイ解剖学】 |
||||
血管支配 |
|||||
触 察 |
|||||
他の参考 となるHP |
|||||
備 考 |
|