序 章
細 胞
組 織
器 官
器官系

 

 私たちの身体を構成する基本単位は細胞(cell)である。その種類は約200で(参考サイトによっては260)、数は成人で約60兆と言われている。そして形態や機能が同じ細胞が集まって組織(tissue)を形成する。また、組織がいろいろ組み合わされて器官(organ)となり、同一の目的のための働きを持った器官が集まって器官系(organ system)となる。最終的に一つの個体は、器官系の集合体ということが言える。

 

 私たちの身体は約60兆の細胞で構成されていると言われているが、それは細胞分裂を繰り返した結果の数字である。つまり、誕生時にはその数は少なく、約3兆個ほどで、各細胞が分裂をし増殖することによってその数を増やしていく。

 また、心筋細胞や中枢神経の細胞のように分裂、増殖をしないものもある。そして、それぞれの器官を構成する細胞の形態や寿命は様々であるが、基本的な構成物質には共通点がある。

 

1

・卵細胞:球状

・平滑筋細胞:紡錘状

・骨格筋細胞:円柱

・赤血球:円盤状

・マクロファージ(白血球):アメーバ―状(?)

・神経細胞:?状

2
大きさ

※より大きな細胞も存在する。

(大きいもの)

・卵細胞(100~150μm) 

・神経細胞(軸索が数㎜から数十㎝になるものがる)

・骨格筋細胞(円柱で、直径は10~100μmだが、長さは10㎝にも達するものがある)

(小さいもの)

・血小板(1~4μm)

・赤血球(6マイクロメートル)

 
3
寿 命

・1日:胃や腸の上皮細胞

・数ヶ月:赤血球(4ヶ月)

・かなり幅があるもの:白血球(数日~数ヶ月、時には年単位)

・一生:心筋細胞、神経細胞

 

 

【基本構造】

 

 各細胞に、ほぼ共通してみられる器官

1
細胞核

遺伝子を収納

※核を持たない細胞:赤血球、血小板

※複数の核を持つ細胞:骨格筋細胞

2
中心小体
3
ミトコンドリア
エネルギーの供給
4
ゴルジ体

タンパク質への糖鎖の付加、切断反応(プロセシング)= ゴルジ装置

5
リボソーム
タンパク質の合成
6

(粗面/滑面)小胞体

(rough/smooth)

endoplasmic reticulum

糖タンパク質と脂質を合成
7
ライゾソーム
タンパク質、核酸、脂質の分解
8
細胞骨格
細胞の形を維持(微小管を含む)

 

 

 

 

 同じ機能を持った細胞同士が集まって組織を形成し、以下4組織に大きく分類できる。

 

 同じ機能を持った組織が集まって器官を構成する。

 

 

 同じ働きの器官が集まって器官系が構成される。以下は「疾病・病気のしくみ~看護の解剖生理学」を参考に作成したものだが、「日本人体解剖学 (上巻) 」や「プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系 第2版 」などは別の分類の仕方をしているので、分類法に関してはしっかりと確立されていないように思われる。

・「皮膚+付属構造」を感覚器に入れるか独立させるかで大きく分類方法が分かれる模様。

・一つの器官が複数の器官系に属することがある。例えば、「精巣」は「生殖器系」と「内分泌器系」に属する。