錐体溝 (すいたいこう、英:sulcus for inferior petrosal sinus

 

 「Rauber-Kopsch解剖学」に見られる名称で、「日本人体解剖学 (上巻) 」の索引には「錐体溝」の名称は見られない。また、ネットで検索しても、その結果は「Rauber-Kopsch解剖学」の解説のみである。以下が「Rauber-Kopsch解剖学」の後頭骨の解説文の一部であるが、どうも「下錐体洞溝」のことのようである。

 

「(後頭骨の)は前方と上方へ向かって突出しており,前の方では厚くなっているが後ろの方では薄く鋭い縁をなしている.その外面(下面)の中央に低い高まりがあり,これを咽頭結節Tuberculum pharyngicumという.この結節の両側に,筋肉のするザラザラした場所が左右1つずつる.体の上面は左右が高まってその間のところがすこしへこんでおり,蝶形骨のこれに境を接する部分と一緒に,斜台Clivusという斜めの面をつくっている.凹凸に富む側縁に密接して,錐体溝Sulcus petrosusという細い溝があり,これは下錐体静脈洞の一部を容れるためのものである.鋭い後縁はなめらかな弧をえがいて大後頭孔の前縁をつくっている.体の前面は四辺形の粗面で,蝶形骨の体との接合面をなし,後年にはこれと癒合する.」