1. 自己複製機能の定義
・幹細胞が分裂して2つの細胞を作るとき、1つは元の幹細胞と同じ性質を保つ(幹細胞として残る)
・もう1つは分化して特定の機能を持つ細胞になる。
これにより、幹細胞プールを維持しつつ必要な細胞を供給できる
2. 自己複製の特徴
a. 非対称分裂 : 片方は幹細胞、片方は分化細胞
b. 組織の恒常性維持 : 皮膚、血液、腸、骨などで細胞が不足しないようにする
c. 長期維持 : 幹細胞は生涯にわたって自己複製できることが多い(体性幹細胞の場合)
3. 例
| |
幹細胞 |
自己複製の意義 |
| 1 |
造血幹細胞(HSC) |
血液細胞を一生供給しつつ、HSC自体も維持 |
| 2 |
間葉系幹細胞(MSC) |
骨・軟骨・脂肪細胞を供給しつつMSCを維持 |
| 3 |
神経幹細胞 |
神経やグリア細胞を補充しつつ神経幹細胞を維持 |
4. まとめ
・自己複製機能=幹細胞が自分自身を複製して維持する能力
・これがあるから、組織は長期間にわたって新しい細胞を作り続けられる
・全ての細胞が自己複製できるわけではなく、幹細胞など一部の細胞だけに存在
