以下は「船戸和也のHP 」の解説文となる。
胆嚢管の起始には粘膜面にラセンヒダがある。胆嚢管のラセンヒダの作用には不明の点が多い。一般に体の中にある管は一方通行の路であるが、胆嚢管だけは二方通行になっている。すなわち肝臓から胆嚢に送られてくる胆汁の通る方向と、胆嚢で濃縮された胆汁が逆に総胆管へ送られる方向の二つがあるわけで、これらの両胆汁の交通整理にラセンヒダが役立っているという説もある。
また、「ChatGPT」に聞くと以下のような回答であった。
胆嚢管(cystic duct)**の内壁に存在する、**らせん状に配列した粘膜のヒダ(folds)**のことです。
名称と構造
- 日本語名:胆嚢管のラセンヒダ、またはハイスター弁(Heister弁)
- 英語:spiral folds of the cystic duct/ valves of Heister
解剖学的特徴
- 胆嚢管の内側に5〜10本ほどのらせん状ヒダがあり、粘膜下層に筋層が入り込んでいる。
- ヒダは内腔を完全に閉じるほど発達しているわけではありませんが、胆汁の一方向的な流れに関与すると考えられています。
- らせん状のため、内視鏡や造影剤などが通過する際に抵抗となることがある。
主な機能(と考えられているもの)
機 能 |
説 明 |
胆汁の逆流防止 |
胆嚢への胆汁の流れは可能にしつつ、十二指腸への逆流をある程度防ぐ |
胆汁の流量調整 |
ラセンヒダが物理的に抵抗を与えることで、胆嚢管内の胆汁の流れを調整していると考えられている(明確な機能には議論あり) |
内視鏡的処置時の注意点 |
ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)などでのカテーテル挿入時、抵抗となることがあり注意が必要 |
臨床との関係
- 胆嚢摘出術(cholecystectomy)の際、胆嚢管の同定やクリッピングにおいてこのラセンヒダが目印になることがあります。
- 結石や腫瘍の通過障害の原因になることは通常ありませんが、画像診断での注意点として覚えておくと良いです。
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