以下は「Rauber-Kopsh解剖学」の解説文となる。
「網膜の虹彩部(Pars iridica retinae)は色素を多量にふくんだ単層の上皮細胞からなり,
虹彩色素上皮層の上に直ちに接してこれとくつづいている.つまり虹彩は,2層の上皮がその
後面すなわち内面に付着していることは,毛様体と同じである.虹彩ではこの2層のうち後方の
上皮層は厚さが30~35µであって,その細胞はあまり多量の色素を含んでいるので,核が被い
かくされ,細胞の境界もほとんど見えない.しかし色素を脱色した切片や,白子のばあいには,
細胞の境界が容易にみとめられる.」