クモ膜 ( くもまく、英:arachnoid mater )

 

概要

脳クモ膜

脊髄クモ膜

 

 

 

   

     

     

 

 

 

日本人体解剖学 (上巻)

「脳クモ膜は、結合組織性の薄膜で、脈管を持たない。脳硬膜との間には狭い腔があり、これを硬膜下腔という。脳クモ膜は、脳軟膜との間にやや広いリンパ腔を持ち、これをクモ膜下腔という。クモ膜下腔は脳脊髄液によって満たされ、第四脳室蓋にある第四脳室正中口および左右の外側口の3つの口により脳室系と交通する。脳クモ膜と脳軟膜とは、脊髄と同様に多数の細い柱状の結合組織性の小突起がクモの糸状に出て軟膜と連なる。脳クモ膜は大脳溝や小脳溝に入り込むことなく、これらの部位ではクモ膜下腔は溝に相当してやや広くなる。その他、クモ膜下腔は大脳底のところどころで特に著しく広くなり、これをクモ膜下層という」

船戸和弥のホームページ

「脳クモ膜は脊髄クモ膜の続きで、脳硬膜との間には硬膜下腔があり、脳軟膜とはクモ膜下腔によって分かたれる。クモ膜から多数の細い結合組織線維の小梁が出て軟膜と結合するので、クモ膜下腔は網状をなし、中に脳脊髄液を満たす。軟膜は脳の表面をくまなくおおっているが、クモ膜は大脳縦裂以外のすべての脳溝を超過しているので、脳回の凸面では両膜は密に結合している。」

 

【 イラスト・写真を掲載しているサイト 】

脳の髄膜の構造を示したイラストを掲載しているサイトⅠ

脳の髄膜の構造を示したイラストを掲載しているサイトⅡ

脳の標本の写真を掲載しているサイトⅠ

脳の標本の写真を掲載しているサイトⅡ

脳の標本の写真を掲載しているサイト

脳の標本の写真を掲載しているサイトⅣ

 

日本人体解剖学 (上巻)

 「硬膜と軟膜の間にある薄い結合組織性の膜で、血管を持たない。クモ膜の内面からは多数の細い柱状の結合組織性の小突起がクモの糸状に出て軟膜とつらなる。とくに、頚髄下方および胸髄においては、クモ膜下中隔というクモ膜内面と脊髄の後正中溝との間に縦走する中隔をつくる。硬膜とクモ膜との間にある間隙を硬膜下腔(subdural space)といい、きわめて狭い。これに対して、クモ膜と軟膜との間にある広い間隙をクモ膜下腔(subarachoid space)と言い、脳脊髄液(cerebrospinal fluid)によって満たされている。 」

船戸和弥のホームページ

 「脊髄クモ膜は脊髄と硬膜と軟膜の間にある血管を含まない薄膜で、内皮細胞でおおわれた多数の細い結合組織線維の小梁によって軟膜と結合されている。特に頚部から胸部にかけてこれらの小梁が背側正中部で多く、強くなり、上下に続いた中隔を作る。これを中間頚部中隔という。クモ膜と軟膜との間には比較的広いクモ膜下腔があり、ここには脳脊髄液がある。脳クモ膜にみられるような槽を作らない。脊髄クモ膜下腔は臨床的に腰椎穿刺(lumbar puncture; rachicentesis)に利用される。穿刺は脊髄損傷を避けるために脊髄円錐より下方(第3,4腰椎間)で行う。その際に高さの基準としてヤコビの線Jacoby's lineが選ばれる。ヤコビの線は左右の腸骨稜の最高点を結ぶ線で、およそ第4腰椎の棘突起の高さに相当する。」

 

 
   

 

(脊髄クモ膜)

脊髄の髄膜の構造を示したイラストを掲載しているサイトⅠ

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脊髄の標本の写真を掲載しているサイトⅠ

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