口 腔 (こうくう、英:oral cavity

 

 口の中の空間のことで、消化器系の一部になる。

 

 口腔には以下の2種類がある。

 

 

 
  口腔前庭模式図
 

鼻腔・口腔

正中断面

 

 

【もっと詳しく】

日本人体解剖学 (下巻) 」には以下のような解説が見られる。

「口腔前庭は口裂を閉鎖し、上歯列弓および下歯列弓を咬合した状態では垂直に位置する馬蹄形の狭い裂隙である。口腔前庭の前外側は上唇・下唇および頬によって境され、歯列が完全な場合には、両側の最も奥にある大臼歯(第3大臼歯)の後方で固有口腔と交通する。口腔前庭と固有口腔とが第3大臼歯の後で交通することはカニューレの挿入など臨床的に重要である。
口腔前庭を覆う粘膜は、口唇移動部から始まり頬の内面に及び、さらに上顎・下顎の歯槽部に進み、歯頚までおおって肥厚し、骨膜と密着して歯肉をつくる。上唇・下唇内面の粘膜は歯槽突起の前面に移行する際、その正中線で縦走ヒダをつくる。これを上唇小帯および下唇小帯という。口腔前庭の粘膜は、各々の歯間から固有口腔に移行している。また、口腔前庭の両側後部が軟口蓋に移行するところに、縦走する粘膜ヒダがある。これを翼突下顎縫線といい、頬筋の起始部となる。そのほか、口腔前庭には上顎第2大臼歯対側の頬粘膜の表面に耳下腺の導管が開口している。 」

 

日本人体解剖学 (下巻) 」には以下のような解説が見られる。

「固有口腔の前方と両側壁は上・下顎骨の歯槽突起および上・下歯列弓、上壁は硬口蓋、下壁は舌ならびに顎舌骨筋およびオトガイ舌骨筋の上を覆う粘膜からなる。軟口蓋は後方に下垂する口蓋垂に終わり、また口腔の後方は狭い口峡によって咽頭に連なる。」

 また、「Oral Studio」では以下のように解説している。

「固有口腔は、歯の舌側面および口蓋側面と、口蓋粘膜、口蓋底粘膜、舌粘膜に覆われ、後部は口峡で咽頭に接している。閉口時は舌か内腔を閉めているため実質的な空間はほとんどないが、開口と舌運動により、咀嚼に必要な十分な空間が生じる。また、舌の柔軟性を可動性により、閉口時でも食塊を留め固有口腔内を移動させることができる。」

 

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