「日本化粧品技術者協会のHP」では以下のように解説している。
「ケラチノサイト(表皮角化細胞)の顆粒細胞中に認められる顆粒の一つ.層板顆粒が球形で膜によって包まれているのに対して、ケラトヒアリン顆粒は不定形で、膜によって包まれていることもない.その主体はリン酸化したプロフィラグリン(→フィラグリン)である.リン酸化プロフィラグリンは分子サイズが大きく不溶性のため、凝集物が顆粒状に観察される.顆粒細胞が角層細胞に移行すると、ケラトヒアリン顆粒は消失する.これは、ケラトヒアリン顆粒を形成していたリン酸化プロフィラグリンが脱リン酸化、および限定加水分解を受け可溶性のフィラグリンとなるためである.フィラグリンはケラチノサイトの角化の過程で、顆粒層になってはじめてプロフィラグリンとして遺伝子発現する.産生されたプロフィラグリンはただちにリン酸化を受けて、ケラトヒアリン顆粒を形成する.フィラグリンには角層でケラチン線維の凝集を促進する働きがあるが、生きている顆粒細胞でこの凝集反応が起こらないように、ケラトヒアリン顆粒を形成しているともいわれている.顆粒細胞におけるケラトヒアリン顆粒の減少は、フィラグリン産生量の減少を反映する.尋常性魚鱗癬という遺伝性角化異常疾患では、ケラトヒアリン顆粒が著しく減少し、フィラグリンの機能が低下するため、角層の機能に大きな影響を及ぼす.(平尾哲二) 」
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