外頭蓋底 (がいとうがいてい、英:external cranial base)

 

 頭蓋底の外側面のこと。

 

  作成しているものが、よく「外頭蓋底」の認識ができていない。

船戸和弥のホームページ」では以下のような解説文が見られる。

「外頭蓋底は下顎骨・舌骨を除く頭蓋の下面をいう。その範囲は上顎骨の歯槽弓にはじまり、側頭下稜、頬骨弓の後端、乳様突起の内側、上項線、外後頭隆起に至る境界とする。外頭蓋底は全体とふくれ上がって凹凸に富み不整複雑な面である。 」

 上記の説明文がどの部分を指しているのかは理解しやすく、下顎骨と舌骨を除いた頭蓋骨の下面なので、以下のイラストになる。

 

 

 

 それに対して、「日本人体解剖学(上巻)」での解説を見ていきたいと思う。まず、「頭蓋底」の解説が以下のようになっている。

「頭蓋底は、脳頭蓋の底となるとともに頭蓋腔に出入りする脈管および神経を通す部分で、外面を外頭蓋底、内面を内頭蓋底という。頭蓋底を構成する骨は、軟骨性頭蓋から骨化し、骨質は主として海綿質からできている」

 そして、「外頭蓋底」の解説が以下である。

「頭蓋底外面は、前・中・後の3部からできる。前部:上歯列弓によって囲まれた骨口蓋の部分である。上歯列弓の後端には翼状突起があり、その間には後鼻孔が開いている。翼状突起の外側には、側頭下窩および翼口蓋窩がある。」

 さて、「船戸和弥のホームページ」と「日本人体解剖学(上巻)」の解説の違いと思われるところを見ていきたい。

 「日本人体解剖学(上巻)」の「頭蓋底は、脳頭蓋の底となるとともに頭蓋腔に出入りする脈管および神経を通す部分で」から「脳頭蓋の底となる部分が頭蓋底である」という解釈が成り立つように思われる。そうすると、上顎骨は脳頭蓋には含まれないので、「船戸和弥のホームページ」の解説とは矛盾する。

 一方、「外頭蓋底」の解説を見てみると、「頭蓋底外面(つまり外頭蓋底)の前部は、上歯列弓によって囲まれた骨口蓋の部分である。」という解説が見られ、「上歯列弓によって囲まれた」ということは、当然、上顎骨を含めることになる。ただし、「囲まれた」ということは、「囲まれていない頬骨突起は含めないのだろうか?」という疑問を抱かざるを得ない。単に私の理解力不足によるものなのかもしれないが…。(2014.5.7)

 

【参考にしたサイト】

「船戸和弥のホームページ」