概 要
伏在裂孔とは
・ 鎌状縁( かまじょうえん ): 伏在裂孔の外側のアルファベットのC-状の大腿筋膜の肥厚部
・ 篩状筋膜( しじょうきんまく ): 薄い筋膜で、血管やリンパ管を通す多数の孔が見られる。
この筋膜は鎌状縁、大腿筋膜および恥骨筋膜と連なっている。
・ 恥骨筋膜 : 恥骨筋を覆っている筋膜で伏在裂孔の内側縁を構成している。
「 日本人体解剖学 (上巻) 」には「この筋(縫工筋)の内側で鼡径靭帯のすぐ下方には内側縁を欠く鎌状の縁がある」という簡単な説明があるだけだが、「 Wikipedia 」では以下のような解説文が見られる。
「 It lies 3–4 cm below and lateral to the pubic tubercle and is about 3 cm long and 1.5 cm wide. 」
伏在裂孔 |
伏在裂孔・詳細 |
腹腔~大腿上部 |
大腿前面の
静脈/神経 |
■ 篩状筋膜を通して伏在裂孔に出入りしているもの ■
※ 以下の神経や血管が伏在神経溝に出入りしているものすべてを列挙しているかどうかは不明。
「 日本人体解剖学 (上巻) 」では、「伏在裂孔は薄い篩状筋(しじょうきん)膜(まく)におおわれ、この筋膜は鎌状縁、大腿筋膜および恥骨筋膜とつらなり、多数の孔に貫かれ、血管および神経を通す。」という解説が見られるが、伏在裂孔を通過するものとして「 Wikipedia 」では以下を挙げている。
参考となるサイト
以下は「日本人体解剖学 (上巻) 」の解説文となる。
「大腿筋膜の前面にある、鎌状(かまじょう)縁(えん)と恥骨筋膜で形成される円形または楕円形の陥凹で、大伏在静脈やリンパ管が通る。大腿筋膜の浅葉は縫工筋の前面をおおい、この筋の内側で鼡径靭帯のすぐ下方には内側縁を欠く鎌形の縁がある。これを鎌状縁(falciform margin)という。鎌状縁の下方の縁を下角といい、恥骨筋膜への移行は不明瞭である。上方の鋭利な部は上角で、鼡径靭帯・裂孔靭帯・恥骨筋膜などに移行する。
伏在裂孔の内側縁の境界はまったく欠けていて、下角は次第に恥骨筋膜に移行する。伏在裂孔は薄い篩状筋(しじょうきん)膜(まく)におおわれ、この筋膜は鎌状縁、大腿筋膜および恥骨筋膜とつらなり、多数の孔に貫かれ、血管および神経を通す。また、伏在裂孔は外大腿輪で、大腿管の外口に相当する。 」
また、「船戸和弥のホームページ」では以下のように解説している。
「BNA,INAでは卵円窩とも呼ばれていた。大腿の前面上部にある大腿筋膜の欠損部で、鼡径靱帯内側端の下方にある。大伏在静脈が大腿静脈に合する直前でこれを通過する。裂孔の周縁をつくる大腿筋膜は肥厚して内側に向いたC字形を示し、その上縁を上角、下縁を下角といい、また両者の中間部を鎌状縁という。伏在裂孔の内側部では、大腿筋膜はその深層の恥骨筋膜に移行して裂孔の床をつくるが、この部はリンパ管や血管によって貫かれて網状を呈し、これを篩状筋膜という」
そして、以下が「Wikipedia」の解説文となる。
「 In anatomy, the saphenous opening ( saphenous hiatus, also fossa ovalis ) is an oval opening in the upper mid part of the fascia lata of the thigh. It lies 3–4 cm below and lateral to the pubic tubercle and is about 3 cm long and 1.5 cm wide.
【 Structure 】
Just inferolateral to the pubic tubercle the fascia extends downwards forming an arched ( falciform ) margin of the lateral boundary of the opening. It is covered by a thin perforated part of the superficial fascia called the fascia cribrosa which is pierced by the great saphenous vein, the 3 superficial branches of the femoral artery, and lymphatics.
( 篩状筋膜を貫通するもの : ① 大伏在静脈 ② 大腿静脈の枝 ③ リンパ管 )
It transmits the great saphenous vein and other smaller vessels including the superficial epigastric artery and superficial external pudendal artery, as well as the femoral branch of the genitofemoral nerve.
The fascia cribrosa, which is pierced by the structures passing through the opening, closes the aperture and must be removed to expose it.」
【 語 句 】
・ pubic tubercle : 恥骨結節 ・ falciform : 鎌状の ・ fascia cribrosa : 篩状筋膜 ・ lymphatics : リンパ管 ・ transmits : 送る、伝導する ・ superficial epigastric artery : 浅腹壁動脈 ・ superficial external pudendal artery : 浅外陰部動脈 ・ femoral branch of the genitofemoral nerve : 陰部大腿神経の大腿枝 ・ aperture : 穴
【 参考になるサイト 】
・イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅰ
・イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅱ
・イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅲ
・イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅳ
・イラストや写真を掲載しているサイト-Ⅴ
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