【概 要】
・「直鎖18炭素で3つのcis二重結合を持つカルボン酸で、最初の二重結合はω末端から数えて3番目の炭素に位置する。」(ウィキペディア)
・「二重結合の場所が違う異性体にω6 脂肪酸のγ-リノレン酸がある。」(ウィキペディア)
【多く含む食品】 ※参考サイト「からだのケアフォーラム」
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食品名 |
含有量 |
1 |
エゴマ油 |
58 % |
2 |
アマニ油 |
57 % |
3 |
アマニ(煎り) |
24 % |
4 |
エゴマ(乾) |
24 % |
5 |
クルミ(煎り) |
9 % |
【n-3系脂肪酸一覧表】
以下「ウィキペディア」を参考にして作成した一覧表になるが、n-3系の全てを収めているかどうかは不明。
【参考となるサイト】
以下は「ウィキペディア」の解説文となる。
α-リノレン酸(アルファ-リノレンさん、英: Alpha-linolenic acid、ALA、数値表現 18:3(n-3)または18:3(Δ9,12,15))は、多価不飽和脂肪酸の一種で多くの植物油で見られる。IUPAC名 all-cis-9,12,15-オクタデカトリエン酸となる[2]。また、生理学では18:3(n-3)と表記される。
概要
α-リノレン酸は直鎖18炭素で3つのcis二重結合を持つカルボン酸である。最初の二重結合はω末端から数えて3番目の炭素に位置する。したがって、α-リノレン酸は多価不飽和脂肪酸であり、ω3 脂肪酸である。二重結合の場所が違う異性体にω6 脂肪酸のγ-リノレン酸がある。
栄養学では、摂取することが必須の栄養素である必須脂肪酸である。ヒトを含めた多くの動物は体内でα-リノレン酸を原料としてEPAやDHAを生産することができるが、α-リノレン酸からEPAやDHAに変換される割合は10-15%程度である[3]。
植物及び微生物中で、ω3位に二重結合を作るΔ15-脂肪酸デサチュラーゼ によりリノール酸の二重結合が一個増えてα-リノレン酸が生成される[4]。ヒトを含めた動物はΔ15-脂肪酸デサチュラーゼを有さないので、α-リノレン酸を自ら合成することができない。
生理
ヒトを含めた動物の体内ではΔ6-脂肪酸デサチュラーゼにより18:3(n-3)のα-リノレン酸(ALA)のΔ6の位置に不飽和結合を作りエロンガーゼにより炭素2個伸張して20:4(n-3)のエイコサテトラエン酸を生成し、Δ5-脂肪酸デサチュラーゼにより不飽和結合を増やして20:5(n-3)のエイコサペンタエン酸(EPA)を生成し、このエイコサペンタエン酸から22:5(n-3)のドコサペンタエン酸(DPA)を経るかSprecher's shuntと呼ばれる経路いずれかを経て22:6(n-3)のドコサヘキサエン酸(DHA)が生成される(詳細はデサチュラーゼを参照のこと。)[4]。 このようにヒトを含めた多くの動物は体内でα-リノレン酸を原料としてEPAやDHAを生産することができるが、α-リノレン酸からEPAやDHAに変換される割合は10-15%程度である[3]。
不飽和化するデサチュラーゼも炭素2個伸張するエロンガーゼもω-3脂肪酸もω-6脂肪酸も共通しているので、ω-3脂肪酸の最初の出発物質であるα-リノレン酸を摂取することで、ω-6脂肪酸の最初の出発物質であるリノール酸がより多不飽和化されたω-6脂肪酸であるアラキドン酸に代謝させるのを抑制する。α-リノレン酸の摂取が少なく、アラキドン酸が過剰に存在するようになるとアラキドン酸カスケードを経て多数の作用の強い生理活性物質が産生されて炎症が起こることがある。α-リノレン酸から生成されるDHAは脳や網膜のリン脂質に含まれる脂肪酸の主要な成分である。妊娠・出産期には母親には無視できないω-3脂肪酸の枯渇の危険性が高まり、その結果として産後のうつ病の危険性に関与する可能性がある。健常者と比較してうつ病患者はω-3脂肪酸の蓄積量が有意に低くω-6とω-3の比率は有意に高かったことが指摘されている[3]。
2011年にハーバード大学で発表された10年以上にわたる50,000人以上の女性を対象とした調査で、α-リノレン酸を豊富に摂取し、同時にリノール酸をあまり摂取しないことは、有意にうつ病の発生を減少させることが認められた。また、この結果と対照的にこの調査では、魚油に含まれるEPAやDHAの摂取は、うつ病の発生を減少させないことが認められた[5]。
α-リノレン酸を摂取すると心血管疾患のリスクが軽減されるとの報告がある[6][7]。
必須脂肪酸の代謝経路とエイコサノイドの形成
必要摂取量
1日約2gのα-リノレン酸の摂取が必要である。詳しくは必須脂肪酸#必要摂取量を参照のこと。
食物中のα-リノレン酸
種油にはα-リノレン酸が含まれているものがあり、
エゴマ、
アブラナ(キャノーラ)、
ダイズ、
アマに含まれている。特に
エゴマに多く含まれている。その他の
食用油には含まれていないか、わずかしか含まれていない。
また、α-リノレン酸は広葉植物の
葉の
チラコイドの膜組織(
光合成に関わる)からも得られる
[9]。実際、
ホウレンソウや
チンゲンサイなどの
青物野菜からα-リノレン酸が検出されている。ゆえに、葉は
草食動物の格好のα-リノレン酸の供給源である。ヒトのα-リノレン酸の1日あたりの必要量は2g程度であり、仮にホウレンソウに換算すると1日1.4kgに相当し、
草食動物なら可能な量かもしれないがヒトにはホウレンソウ等の野菜から摂取するには非現実的な量に相当する。α-リノレン酸1日あたり2gは
キャノーラ油なら1日20gに相当する。
動物性脂肪にもわずかながらα-リノレン酸が含まれているが、
ヘット(牛脂)の場合では1日300g摂取しないと上記のα-リノレン酸の必要量が満たせず、心臓病予防の観点からも現実的ではない。前述のように牧草等の葉には微量ではあるもののリノール酸に比べてα-リノレン酸が比較的多く存在している。このため牧草を飼料として与えられている
羊の肉(マトン、ラム)では他の肉に比べてα-リノレン酸とリノール酸との比率が高くなり、α-リノレン酸をほとんど含まない
穀物の飼料を多く与えられている鶏や豚の肉では他の肉に比べてα-リノレン酸とリノール酸との比率が低くなっている。
植物油として |
別名 |
リンネ名 |
% ALA† |
ref. |
シソ(エゴマ)(エゴマ油) |
shiso(perilla) |
Perilla frutescens |
58% |
[10] |
アマ(亜麻仁油) |
linseed |
Linum usitatissimum |
55% |
[10] |
アブラナ |
canola |
Brassica napus |
10% |
[2] |
ダイズ |
soya |
Glycine max |
8% |
[2] |
|
†平均値 |
詳細は「乾性油」を参照
α-リノレン酸(ALA)は乾性油の中でも最も豊富な不飽和化合物である(例:シソ油、アマニ油)。