奇静脈系 ( きじょうみゃくけい、 英 : azygos system )

 

 ・ 上部および下部で大静脈に連絡しているので、大静脈系に通過障害が起こった時、側副路の一つとして重要な働きをする。

【 特 徴 】 ※ 参考 :「 日本人体解剖学 」 

 ・ 脊柱の両側を上行しながら 肋間静脈 (posterior intercostal veins) を受ける。

 ・ 上方は 大静脈 ( vena cava ) に注ぎ、下方は後腹壁の静脈と交通する。

 ・ 右側の 奇静脈 ( azygos vein ) と、左側の 半奇静脈 (hemiazygos vein) とに大きく区別する。

 

 

「 奇静脈系は変異に富み、奇静脈・半奇静脈・副半奇静脈が全部そろって存在するのは35%にすぎず、上記のいずれか一つが欠場する場合(30%)や、奇静脈だけが存在する場合(35%)もある。Azygosというラテン語は、a(否定)zygos(2頭の牛の首にわたす軛(くびき)すなわち対をなすもの)、つまり対をなさないという意味である。奇静脈の奇は、偶数に対する奇数の奇であって、奇妙の奇ではない。」

 

 

 

 以下は奇静脈系に注ぐ静脈となる。